レオナルド・ダ・ヴィンチ作「最後の晩餐」の謎を探そう

サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会

レオナルド・ダ・ヴィンチの最後の晩餐とは

レオナルドダヴィンチ最後の晩餐
絵画イメージ
レオナルド・ダヴィンチの名作「最後の晩餐」は、1495年から1498年に制作された美術史に残る傑作といわれている、あまりにも有名な絵画のひとつ。
ミラノにあるサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ修道院の当時食堂だった空間に描かれた、大きな壁画作品です。

「最後の晩餐」は、どこで見れるの?

ミラノ(イタリア)の地下鉄カルドナ駅から10分ほどの場所にあるサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会、その敷地内にドメニコ会修道院があります。
そして、修道院の食堂にある壁画が『最後の晩餐』です。

臨場感に溢れる絵画の魅力

レオナルドダヴィンチ

この中に私を裏切る者がいる

キリストが「受難」の前夜に12人の弟子たちと囲んだ食卓で「この中に私を裏切る者がいる」と予言するという聖書の一場面が、北側の壁、縦4.2m× 横9.1mに渡って描かれています。
レオナルド・ダ・ヴィンチはこの絵画に「奥行き」があるかのように錯覚させる手法を用いました。
キリストと使徒たちが食事をする部屋が壁の奥に続いているように見え、まるで絵画の中に引き込まれるような気分にさせられるのです。
ミラノに旅行をしたときには、ぜひ鑑賞したいアートの一つともいえるでしょう。

『最後の晩餐』は、細かく描かれたストーリーと『最後の晩餐』に潜む謎について知っておくことで、よりその世界観を楽しめる絵画でもあります。

キリストの左側に描かれている人物

例えば、キリストの左側に描かれている聖ヨハネと言われる人物。
他の使徒と違い中性的で美しく描かれていることから、絵画を見て「女性なのでは?」という印象を受ける人もいるかもしれません。
このことは、小説「ダ・ヴィンチ・コード」の中で重要なポイントとして扱われました。

ナイフをもった手、コップの数

その他にも
「ナイフをもった手は本当にペテロのものなのか」
「キリストと12人の使徒の数だけあるはずのコップが1つ足らない」
「使徒の座っている順番」
など、様々な解釈を持たれる『最後の晩餐』の謎が、見る側を楽しませてくれます。

銀貨の入った袋を握りしめるユダ

キリストから「裏切り者」という衝撃的な告白を受けた使徒たちの驚きや動揺、困惑などの反応は、手の描かれ方にも現れています。
裏切ったことで得る銀貨の入った袋を握りしめるユダ、両手を胸の前で広げる聖アンデレ、指を一本立てている聖トマスなど、表情だけでなく手に注目することで新しい発見があるかもしれません。
絵画ファンではなくても、とても興味深い事柄がこの『最後の晩餐』に謎として存在しているのです。

見学時間も人数も完全予約制の理由

最後の晩餐の鑑賞には予約が必要

奇跡の絵画「最後の晩餐」

未完が多いと言われているレオナルド・ダ・ヴィンチの数少ない完成作であるとともに、最も損傷が激しい絵画としても知られています。
その理由のひとつは絵画が置かれた劣悪な環境です。
最後の晩餐が描かれた部屋は食堂として使われていたため、食べ物の湿気や湯気などに見舞われました。

さらに、17世紀には絵画の下部、ちょうどキリストの足があったであろう部分の壁に出入り用の扉が設けられたことで大きく絵が欠損しました。
17世紀末には馬小屋としても使われたほか、この間にミラノを2度襲った大洪水で水浸しとなっています。

高温や湿気に弱いテンペラ画であったことも劣化が進んだ要因でした。
(テンペラ画とは、油絵が誕生する前の技法で、卵黄や卵白、油と水を混ぜ乳化させたもの等を固着剤として用いたもので、発色が良く乾きが早い特徴があります)
第二次大戦時には空爆を受け、作品が残っていることが奇跡と言えるほどの「受難」を受け続けました。
それらのことから、絵画が現存しているのが「奇跡」だと言われています。

修復作業された「最後の晩餐」

その後、汚れやオリジナルとかけ離れた加筆などを取り除く地道な修復作業が1977年に始まり、500年ぶりにレオナルド・ダ・ヴィンチが描いた姿となったのは1999年のことでした。
何年もかけて何度も修復や書き足しを重ねられ、現在の姿で残っています。

「最後の晩餐」鑑賞は、見学時間と人数完全予約制

現在は、絵画がこれ以上損傷しないように複数の扉で外気との接触を減らし、見学時間も1グループ(最大25人)15分程度に制限しています。
見学は完全予約制ですが常に満員状態だそうなので、早めに予約確認をするか、チケットが付いたミラノのオプショナルツアーで行くことがおすすめです。
予約時間に遅れると入場できない場合があるので、30分前には現地に到着しておくようにしましょう。

サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会とドメニコ会修道院

『最後の晩餐』がある「サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会」そして、その敷地内に「ドメニコ会修道院」も見どころのひとつです。
1980年には、この教会及び、隣接する食堂などの敷地内一帯がユネスコの世界文化遺産に登録されました。
ゴシック様式で建てられた教会は15世紀に増築されており、ルネッサンス的空間も取り入れられた美しい複合建築を見ることができます。
「教会」と「食堂(最後の晩餐鑑賞)」の2箇所の見学ポイントがあり、それぞれ入口や入場形態が異なります。
『最後の晩餐』の見学は有料の完全予約制ですが、「サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会」「ドメニコ会修道院」の内外見学は無料となっています。
ミラノの中心部からもほど近いので、ロケーション的にも訪れやすいため絵画のイタリア・ミラノを訪れるときには、ぜひ見てみたいものです。

サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会(最後の晩餐)の行き方

成田空港からイタリア・ミラノは直行便で往路片道約12時間35分。
イタリア国内であれば、ローマや、スイス、ドイツなど周辺国を経由して訪れることができます。
それだけの時間を費やしても、一見の価値がある作品ともいえます。

    サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会(最後の晩餐)
  • 住所:Piazza Santa Maria delle Grazie 2
  • アクセス:地下鉄1・2号線カドルナ(Cadorna FN)駅から徒歩約10分
  • 公式ホームページ

最後に

さまざまな「受難」に見舞われ多くの謎を残す『最後の晩餐』。
20年余りの修復作業が終わり本来の姿を取り戻したその名画の前に立った時、レオナルド・ダ・ヴィンチが込めた本当のメッセージが伝わってくるかもしれません。

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投稿日:2016.06.27

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