「ロイクラトン(Loi Krathong)」と「コムローイ(Khom Loy)」
コムローイ(タイ語で天灯)とは、仏教国タイで陰暦12月(今の11月)の満月の夜に行われる「ロイクラトン」というお祭りの一部です。
ロイクラトンの祭りは、収穫や水の精霊に感謝の祈りをささげ、心の罪などを洗い流すという意味で、川に灯籠(とうろう)を流します。
ロイは川、クラトンは灯籠を表すタイ語です。
ロイクラトンはタイ各地で行われますが、発祥の地ともいわれている「スコータイ」や、バンコクに次ぐタイ第2の都市「チェンマイ」では、川に灯籠を流す本来のロイクラトンに加え、ろうそくで熱したランタンを、仏陀への感謝の気持ちを込めて熱気球のように空に飛ばす儀式が発展し、後にタイ独自のコムローイと呼ばれる祭りになりました。
ランタンは丸い形をしたチャイニーズランタンとは異なり、熱で膨らんだ姿は円柱形に近い形状です。
ディズニーのアニメーション映画「塔の上のラプンツェル」に、ランタンの灯りが幻想的に空に舞い上がるシーンがありますが、この場面はタイのコムローイがモデルになっていると言われています。
タイの2種類のコムローイ
タイのコムローイには2つの種類あります。
1つは、現地の人が参加するローカルな「イーペン・サンサーイ(Yee Peng Sansai)」。
もう1つは、外国人(観光客)が対象となる観光色豊かな「イーペン・ランナー・インターナショナル(Yee Peng Lanna International)」です。
つまり、日本からの観光客が参加できるタイのコムローイは、「イーペン・ランナー・インターナショナル」です。
「イーペン・ランナー・インターナショナル」は事前にチケット予約が確実!
チェンマイでは、コムローイとロイクラトンが同時に行われる「チェンマイ・イーペン祭り」が、11月に3日間(または2日間)の日程で開催されます(具体的な開催日は、その数カ月前に決定)。
タイのコムローイは、この3日間の中でランタンを打ち上げられる日が決められます。
幻想的なイベントであることから日本でも人気が高まっていますので、早くから日本からのイベント参加を組み込んだパッケージツアーや、バンコク発の現地オプショナルツアーとしてチケットを予約しておく方法が確実です。
- 正式名称:イーペン・ランナー・インターナショナル
- 開催日:11月の満月の夜(その数カ月前に開催日が決定)
- 開催場所:メージョー大学の隣のお寺:Thudong Khasathan Lanna(※チェンマイの市街地から北へ約20km)ほか2~3か所
コムローイの開催場所・チェンマイへの行き方
日本からチェンマイへは直行便がないので、バンコクで乗り継いで行く方法が一番早いです。
バンコク・スワンナプーム空港での乗り継ぎが2時間程度で行ける場合、最短10時間前後でチェンマイ国際空港に到着します。
タイ旅行初心者ならバンコクで何泊かし、バンコクの人気観光地やタイグルメを旅程に組み込むのもおすすめです。
コムローイの主な開催場所は、チェンマイの市街からさらに北へ20kmほど行ったメージョー大学の隣のお寺の敷地内で、道が空いていれば車で30分~40分ほどの場所です。
当日、チェンマイ市内外の道は大変混雑します。
ツアーで参加している場合も、その大混雑を避けることはできません。
イーペン・ランナー・インターナショナルの会場に近づくほど、大混雑になるので、出発もトイレ休憩も余裕をもって早めに行動することがポイントです。
厳かに行われる幻想的な儀式コムローイ
会場に着くと、膨らむ前のコムローイとイスが場内に並んでいます。
チケットと引き換えに、簡単な飲食が楽しめ、会場周辺に出ている屋台グルメを楽しむのも、タイのコムローイの魅力です。
夜7時ごろからセレモニーが始まると、観光客は着席し、僧侶がおごそかに儀式を執り行います。
すでに会場の周辺ではランタンがちらほらと舞い上がり、気分が盛り上がりを感じるでしょう。
セレモニーが終わり、ランタンを飛ばすのは夜9時頃から一斉に行われます。
燃料に火をつけると、その熱で徐々にランタンが膨らんでいき、大人2人でも力のいる作業です。
人々が手にした約3,000個のランタンは、合図とともに一斉に空に舞い上がり、この世のものとは思えないほど幻想的な瞬間が訪れます。
これまでの長い待ち時間も吹き飛ぶほどの感動です。
タイのコムローイ、撮影のポイントはここ!
一生ものの思い出が作れる、タイのコムローイ。
だからこそ、その瞬間の感動は写真や動画で美しく残したいものです。
コムローイは、開催場所周辺からも撮影可能ですが、コムローイの真下からの撮影はできません。
だからこそ、ツアーに参加することをお勧めします。
また、幻想的な感動を余すことなく撮影するためには、いくつかのポイントがあります。
1.コンパクト三脚とリモコン
ランタンの打ち上げは最低大人2人が手に持たなくてはいけません。
ランタンは意外と大きく、そして点灯後は火の取り扱いにも注意が必要で徐々に膨らみだすとおさえる力も必要です。
各自が両手で均等に支えますが、折角参加したのなら全員がランタンを手に、打ち上げに参加したいものです。
そこで準備すると良いのが、持ち運びに便利なコンパクト三脚とリモコンです。
コンパクト三脚は、カメラを固定することができ夜間撮影の大敵手振れを防止でき、リモコンはシャッターボタンの押し込みによるカメラのブレを防ぎます。
下から上を見上げるアングルにしておき、動画撮影にすればランタンが浮かび上がって飛んで行く一部始終を撮影できます。
ただしカメラの動画モードは思いのほかバッテリーの消耗が激しいです。
予備のバッテリーを持って行き、夕飯が済んだタイミングで新しいバッテリーに交換して途中でのバッテリー切れを防ぎましょう。
なお、コンパクト三脚は、小さくたためることや軽さだけで選ばず、必ず自分のカメラやレンズの重さに合ったものを選びましょう。
コンパクトカメラ用の軽いタイプは、一眼レフなどの重い機材では安定せず、倒れてしまいます。
ショップで実物を見て、カメラとの相性を確認して選ぶようにしましょう。
2.夜間撮影ISO感度800~1,200以上なら手持ち撮影も
たくさんのランタンの光が灯り、場内は明るい印象ですが、はやり夜間の屋外であることに変わりありません。
ISO感度を800~1,200以上にできるのであれば、まずはカメラを手振れ防止のために三脚にセットしておき、手からランタンが離れたら、カメラを三脚から外して手に持ち替え、撮影しても良いでしょう。
・カメラの操作を覚える(ISO感度とシャッタースピードの変更、マニュアル撮影のやり方など)
・カメラの構え方と自分が手振れしないシャッタースピードを覚える
・広角レンズで夜間の花火撮影がうまく撮れるよう練習しておく
・三脚にクイックシューをつけて着脱に慣れておく
3. スマホで動画を
そしてランタンが手から離れたら、手持ちのスマホでもその瞬間を切り取りましょう。
まだランタンが近い距離のうちに短い動画を撮影しておくと、友達にも貴重な体験をシェアできますね。
カメラ性能が向上した最新のスマートフォンや動画撮影のできるカメラなら、プロが撮る一眼レフの写真とまではいかなくても、それなりに満足できる撮影が可能です。
低いアングルにビデオカメラを設置して、火の点火からランタンのリリース、そして夜空に無数のランタンが浮かび上がって小さくなる一部始終をダイナミックに捉えることができます。
また、動画なら一度録画ボタンを押したら、いちいちシャッターチャンスを気にする必要もありません。
ゆっくりと上がっていく視界いっぱいのランタンの映像を心に刻みましょう。
タイで感じるコムローイの熱気と興奮、それを余すところなく残したいなら、むしろ動画の方が正解かもしれません。
タイのコムローイで事前に知っていると良いこと
タイのコムローイは、厳粛な仏教儀式です。
それは、観光客向けのイーペン・ランナー・インターナショナルでも、変わりません。
短パンやノースリーブ、ミニスカートといった肌が露出する服装や、レギンスなど体のラインがよく分かる服装は、入場できない場合があるので、特に女性は注意が必要です。
また、タイとはいえ、11月なので夜は肌寒くなることも考えられます。
一枚羽織れる上着を持参すれば安心です。
現地の女性用トイレはたいへん混雑します。
セレモニーが始まったら比較的利用しやすくなるので、そのタイミングを待つか早めの行動を心がけましょう。
会場付近は大変混雑し、付近は街灯が明るく照らす道ではないので、足元を照らしたり、カメラのセッティング時にも使えるアウトドア用の光量が調節できるヘッドライトを、首にかけて使うと落としたりもせず便利です。
なお、「イーペン・ランナー・インターナショナル」は、日本ではなく海外の催しであり、また、屋外での開催の為、天候や諸事情により、開催の中止や変更の可能性もあります。
常に状況を見て対処できるよう、事前準備をしっかり行っておきましょう。
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