圧巻の所蔵量と内容!台湾・故宮博物院でしか味わえない感動とは?

  • 最終更新日:2024.09.19
  • 台湾
圧巻の所蔵量と内容!台湾・故宮博物院でしか味わえない感動とは?

台湾の首都・台北市にある故宮博物院は、中国美術コレクションを展示する博物館です。
その規模といい、所蔵品の貴重さといい、イギリスの大英博物館と比べても決して引けを取らず、東洋を代表する博物館と言っても差し支えないでしょう。
無論、台湾旅行のメニューに加える旅行者も数多く、それどころかメインに据えるケースも決して珍しくはありません。アジアのみならず、世界中の人々を魅了してやまない故宮博物館の魅力や見どころはいったいどこにあるのでしょうか。

故宮博物院

戦乱をくぐり抜けてきた数々の所蔵品

故宮博物院は台湾の台北市士林区にある、中国の歴代王朝が収集した美術品を収蔵する博物館です。
「故宮」とは宮殿のことで、中国北京の「紫禁城」を意味します。

ここで展示・保管されている所蔵物は元々紫禁城にあったものですが、国共内戦時の戦火を避けて中国大陸を大移動し、蒋介石率いる国民党と共に台湾に移送されました。

所蔵品はしばらく倉庫で保管されていましたが、1965年に故宮博物院が開館、台湾有数の観光名所となりました。

故宮博物院、展示物1

歴代宮廷に受け継がれた所蔵品は、皇室文書を含む図書文献、書画、器物など多岐に渡り、清代王朝のものを中心に数千年以上前の物も含めて約70万点もの収蔵品があるといわれています。
そのうち常時展示されている展示物は約4000~5000点で、定期的に入れ替えが行われています。

毎日、この故宮博物院には、大陸からの中国人観光客が大挙して押し寄せます。
それは彼らの母国の歴史や美術品を目の当たりにしたい、という願望からなのです。

士林駅や士林市場からのアクセスが楽

故宮博物院へは、台湾の台北市街からタクシーを利用して約30~40分ほどで到着しますが、いちばんアクセスしやすいのは台北の地下鉄MRTの士林駅。
ここから故宮博物院まではタクシーでも10分程度で到着します。
もちろんオプショナルツアーに組み込まれているのであれば、ほとんどが送迎付きの為、その心配は不要です。

故宮博物院内の広い敷地内には、展示物が集まる中国宮殿のような「本館」のほか、中国の古式庭園を模した「至善園」や期間限定の特別展を行う「図書文献館」などがあります。

故宮博物院内

ミュージアムショップや庭園、そして一息つける雰囲気のいいカフェも併設されています。
台北最大の夜市・士林夜市と故宮博物院を台湾旅行で訪れる予定の方は、台湾でのホテルを士林エリアにするのもおすすめです。

音声ガイドやアプリを利用して造詣を深めよう

故宮博物院、音声ガイド受付

数多い展示物をよく理解するために、音声やマルチメディア機器のレンタルサービスやアプリを利用してみてはいかがでしょうか。

1階のオーディオガイドカウンターでは、日本語に対応したマルチメディアの音声ガイドを借りられます。
1台200台湾元(約730円)でレンタル可能で、パスポートなどの身分証明書、もしくはデポジット3000台湾元(約10,950円)を預け、機材返却時に戻してもらえます。※為替レートは2018年2月16日現在

個人のスマートフォンで使える、故宮博物院の公式アプリ「故宮常設展」は無料でダウンロードできます。
所蔵品についての詳しい説明が満載なので、台湾で故宮博物館を訪れる前に予習としてチェックしておくのもいいかもしれません。

故宮博物院のシンボル、白菜と角煮は必見!

台湾の故宮博物院を代表する美術品といえば、なんといっても本館3階で展示されている「翠玉白菜」と、通称・角煮で知られる「肉形石」です。

翠玉白菜

清代の作品「翠玉白菜」は翡翠の深い緑色と、艶やかな玉石とのグラデーションを活かした彫刻で、翠玉彫刻の最高傑作と言われています。
意外と見落としがちですが、白菜の上には子孫繁栄を象徴するキリギリスとイナゴも彫られています。

一方、「肉形石」はメノウの天然の縞目を肉の赤身と脂身の層に見立てた芸術品。
こちらも自然の造形を活かしたもので、清代の職人がメノウを加工し、磨いて表層面を染色しました。

2014年、東京国立博物館で翠玉白菜が公開されたときは、最大4時間待ちの大行列が出来て話題になりましたが、故宮ではどちらの展示も平均10~20分程度の待ち時間でじっくり眺めることができるので、ぜひこの機会に間近で写真に収めておきましょう。

翠玉白菜、遠景

緻密な作業の結晶、象牙作品「彫象牙透花人物套球」

象牙作品「彫象牙透花人物套球」

台湾の故宮博物院でどうしても見ておきたい作品をもうひとつ。
象牙作品の「彫象牙透花人物套球」は、19世紀に清代の象牙彫刻職人によって制作された直径約12センチの象牙球です。
透かし彫りで幾何学模様が施されており、24もの層からできています。

球体に整えた象牙に中心に向かって穴を開け、直角に曲がった鈎を用いて自在に動く球を一層ずつ掘り出し、さらに各種装飾を施すという、緻密で複雑な手法が用いられています。
受け皿となる象牙の台座にも、繊細な細工が施され、清代後期の象牙工芸品の代表作と言われています。

その他にも、仏教芸術や書画、陶磁、銅器や書物、貴族の調度品など、多数の所蔵品が常時展示されていますが、そのどれもが貴重なものばかり。
故宮博物院こそ、台湾を通して見る中国王朝の歴史や美術そのものといってもいいでしょう。

故宮博物院、展示物2

故宮博物院、展示物3

中国王朝の歴史的な美術品を一度に鑑賞できる故宮博物院。
近々、台湾旅行を予定している方は故宮博物院でじっくりと本物のアートに触れてみてはいかがでしょうか。
台湾旅行のオプショナルツアーには、台北市街のホテル発着の鑑賞ツアーもあります。
バスでゆったり往復できる上、ガイドさんによる解説もあるので、台湾で故宮博物館を訪れようと思っている方におすすめです。

※掲載写真にはイメージ画像が含まれています。本文中の料金は2020年取材当時のものです。

 

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投稿日:2017.02.27

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