シドニーのオペラハウスは外せない!偉大な世界遺産であり続ける理由

シドニーのオペラハウスは外せない!偉大な世界遺産であり続ける理由

シドニー オペラハウス

オーストラリアのアイコン、シドニーのオペラハウス

オーストラリアのシドニーにあるオペラハウスは、世界を見回しても似た建造物はひとつとないユニークな形をしていますが、もっとも特徴的なのは屋根の形。
帆船の帆のような、あるいは貝殻が重なっているかのような実に独特のシェイプ。
土台のアースカラーとのコントラストが青い港に浮かぶ白の屋根を際立たせています。

そして日が落ちると表情は一変。
シドニーのオペラハウスは、ライトアップされた夜景はまた違った魅力を見せます。

ライトアップされたシドニーのオペラハウス

また、すぐ脇にかかるハーバーブリッジとの組み合わせは、オセアニア屈指の絶景とも称されます。
港の青に浮かぶ特徴的な屋根と青い空、オーストラリア国旗がはためくハーバー・ブリッジ、それらが織りなす眺望を現地の人々はこよなく愛しています。
オペラハウスこそオーストラリアのアイコンといっても過言ではないでしょう。

困難を極めたシドニーでのオペラハウスの建設

シドニーオペラハウスの屋根
1973年に完成し2023年で50年を迎えたたシドニーのオペラハウスは、2007年に世界遺産リストに登録されました。
いったいどういう点が世界遺産としてふさわしいと認められたのでしょうか?
世界遺産リストに登録されるには、10種類ある登録基準のうち一つ以上を満たしていると判定される必要があります。
シドニーのオペラハウスは「人類の創造的資質を示す傑作」という、ただ一つの基準に適合しただけで登録されました。
それほどまでに、クリエイティビティを宿した建造物といえるのです。

オペラハウスの基本設計者はデンマーク出身のヨーン・ウツソン氏。
建築家にとってはノーベル賞級にあたるといわれるプリツカー賞を2003年に受賞した巨匠です(日本では丹下健三や安藤忠雄、槇文彦他が同賞を受賞)。

しかしながらウツソン氏は、オペラハウスの建築設計コンペティションを勝ち取った1956年12月当時、国際的に認められるような実績はありませんでした。
それどころか、オペラハウスの建築設計競技に提出したデザインは、構造設計など考慮されていないデッサンのような簡易なものだったため、一度は落選。
しかし後日、その独創性を見込まれて採用されることになったのです。

1959年3月、建築設計競技から2年余りの歳月を経てやっと台座部分の工事が開始されました。
ところが、当初から懸念された屋根部分の設計は困難を極め、デザインは二転三転。
さらに、屋根部分が建設途中だった1965年、選挙により政府の政権党が交代し、予算面の承認が下りなかったため、翌1966年には設計者のウツソン氏がプロジェクトから撤退するという異常事態を招くことになりました。

その後はやむなく何人かの設計者が共同で監督を務め、1973年の10月、予定から実に10年も遅れて、オペラハウスは完成したのです。
紆余曲折というにはあまりに長い道のりだったせいか、建築費は当初の予算からおよそ14倍にまで膨れ上がっていました。

ウツソン氏は撤退後、2度とオーストラリアには戻らず、完成したオペラハウスを見ることもなく、2008年に亡くなりました。
ただ、シドニー市民はウツソン氏を忘れることなく、逝去時には地元紙がその栄誉を大々的に報道し、翌年2009年にはメモリアルコンサートが行われました。

ユネスコのホームページにはこのように書いてあります。

現代技術を駆使して建設されたオペラハウスは、創造性と革新性を備えた20世紀の偉大な建築作品である

何度壁にぶつかっても、夢見た美しさを実現しようとした努力は、まさしくあの独創的なフォルムに表れています。
建設プロジェクトで働いた人たちは、人類の創造の限界に挑戦し、新たな考えを生み出し取り入れ、限界を突破したのです。

シドニーのオペラハウスで芸術を体感しよう!

TO DOリスト
シドニーを訪れた際には、アクティビティの一つとして、オペラハウスでオペラやミュージカル鑑賞を計画してみてはいかがでしょうか?
現在、シドニーのオペラハウスでは人気の高いオペラ、オペレッタ、ミュージカル作品の数々が1月〜3月および6月〜11月の間にほぼ毎晩上映されています。
オペラハウスの見物とともにオペラ鑑賞やミュージカル鑑賞を目的とした旅行者も多いため、見たい演目があれば早めに確認、予約をしましょう。
チケットは通常、公演の2カ月前から販売され、オペラハウス内のチケットオフィスやインターネットの販売サイトで申し込むことも可能です。
困難を極めた建築プロジェクトに思いをはせながら、さらにその素晴らしい芸術がオペラという芸術を包み込んだ時に奏でる新たな芸術を体感することは、素晴らしい思い出になるに違いありません。

また、館内を巡る見学ツアーも開催されており、豊富な知識を持つガイドがその歴史や建築上のポイントなどをていねいに解説してくれます。
ホールの中に足を踏み入れることで、外から見たオペラハウスより立体的に捉えることができるはず。
オプショナルツアーでは、日本語ガイドツーアもあるため、で説明を受けながらじっくりと見学ができます。

  • 【オペラハウス】
  • 住所:Bennelong Point, Sydney
  • アクセス:シドニー市内にある(シティ・レール)サーキュラー・キー駅(Circular Quay Station)から徒歩6分程度
  • 公式サイト

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投稿日:2016.12.01

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