お話をうかがった方
画家を志していた学生時代の旅行でヨーロッパ各地を観光中、ローマに一目惚れ。
イタリア語も話せないまま、おっかなびっくりで念願のローマ移住を実現し、今年で在住25年という、素敵な女性です。
芸術家が憧れる美の街で自由に生きる智子さんは、旅のアドバイスをいただくにふさわしい、とても心強い方です。
「ロマンチック」という言葉を生んだ街
── 世界の人々が憧れるローマですが、どのような印象をおもちですか?
古代の遺跡やルネサンス時代からの芸術的建造物が建ち並ぶ風景の中に、日常的な住人の暮らしがあり、そしてローマ中に世界中の旅行者が行き交っています。
現代の営みの中にダイナミックな古代モニュメントが忽然と姿を現す様は一種のカオスで、初めてローマを訪れた人にとっては胸躍らずにいられない光景のはずです。
そんな街ですから、ぶらぶらと歩くだけでとても楽しいし、長い歴史の層上に今の自分がいることをしみじみ実感できます。
「ロマンチック」…この言葉ですが、語源は「ローマ風」から来ているんです。
そのぐらいローマはドラマチックな魅力で一杯です。
── 特に女性の目線から見た印象、女性が感じる魅力はありますか?
智子さん:
女性は美しいものが好きです。美しいものに常に触れていたいし、自らも美しくありたいと願います。
イタリア人は実に美的感覚に優れています。
地理や気候が織りなす自然の風景が、彼ら特有の創造力や人生観を育んできました。
芸術だけでなく、美味しい料理が生まれてきたのも同じ理由ですし、男女ともに容姿の美しい人も目立ちます。
素材を生かしたイタリア料理と同じく、女性のファッションは女性本来の美しさを際立たせるようなデザインが主流です。
また伝統を大切にするという気質が、「女性は死ぬまで女を貫く」といった姿勢に発展しています。
こちらの90歳女性が、冬のさなかでもスカート姿なのを見ると感動します。
── ローマという街が美的感覚や創造力を大事にする風土であることや、美を追求し伝統を重んじる意識が全てにおいて高いこと、イタリアの女性が年を重ねても美しくいられる理由を挙げて頂きました。やはり住む人の視点だけに実感がこもっていますね。
古都ローマの人気スポット巡りの後は、パスタと地中海の味
── ローマを訪れたらここには行くべき!というスポットを教えてください。
スペイン広場周辺…映画「ローマの休日」で有名なスペイン階段のある広場で、近隣には有名ブランドショップが所狭しと並んでいます。
お買い物が好きな女性には必須スポットです。
トレビの泉…こちらも有名な場所。
昼間よりも日が落ちてからの方がライトアップされてさらに綺麗です。
ローマはそこにいるだけでロマンチックな気分になりますが、ここではさらにロマンを感じられます。
パンテオン神殿…狭い路地を抜けるといきなり目の前に、巨大かつ美しすぎる神殿と広場が突如として現れます。
ローマでしか見られない特殊なモニュメントで、誰を案内しても絶対感動してくれます。
ティヴォリ…イタリア一美しい噴水庭園デステ荘や、ハドリアヌス帝の別荘で名高い、郊外にある古代ローマ時代からの別荘地です。
ローマ発オプショナルツアーで簡単に行ける場所にあり、ローマ市内とは全く違った雰囲気が味わえます。
リオーネ・モンティ地区…カブール駅周辺の地区で、趣のある細道が行きかう住宅街にある一角です。
お洒落なバーやレストランが軒を連ね、地元や外国人の若者で賑わいます。
洗練されているのに庶民的といった雰囲気に、日本女性なら絶対に胸がときめくはず。一人歩きもできます。
── イタリアはグルメの宝庫。「何を食べても美味しい」という声をよく聞きますが、ローマに行くなら必須!という料理やお店を教えてください。
カルボナーラ…現地の女性にも大人気です。
本場のカルボナーラは生クリームを使用せず、グアンチャーレという豚頬肉の塩漬けとペコリーノロマーノというチーズを使います。
素材の風味が存分に活かされたシンプルな味です。
カーチョ・エ・ペペ…パスタとたっぷりのペコリーノチーズ、黒コショウを和えただけの料理です。
シンプルなだけにパスタの美味しさが引き立ちます。これらを食べるのにオススメなのは「Trattria Dal Cavalier Gino」というレストラン。
家族経営でご主人がフレンドリーな、庶民的なお店です。
魚介のフリット…新鮮な魚介を揚げ、レモンを絞って食します。
小振りなイカやタコ、エビなど、これぞ地中海!という味を楽しめます。フリットを食べるなら「Catinari」という、ユダヤ人地区のゲットーにあるレストランがベストです。
新鮮な魚介が自慢で、何を食べても美味しいです。
店内もカジュアルエレガントで女性向きです。
イタリアン・マクロビオティック…マクロビオティックは日本で生まれたヘルシーメニューですが、ヘルシー志向のイタリア女性が食生活に取り入れていることが多いんです。
全紛粉のパスタやイタリア米に季節の新鮮野菜をふんだんに取り入れたイタリアならではのマクロビ料理は、ローマに3軒ある「Un Punto Macrobiotico」というレストランで食すことができます。
── イタリアの化粧品や雑貨などは日本にもたくさん入ってきていますが、ローマならではのお土産が手に入るお店はありますか?
トラステヴェレ地区にある「romastore profumi」という香水と自然派化粧品のセレクトショップがオススメです。
メーカー品ではないオリジナル香水を多く揃えているので、女性には楽しいはずです。
日本女性がモテる街・ローマ!ナンパ師には要注意
── 女性が旅するにはちょっと危険、というイメージがあるローマですが、治安などはどうでしょう?
日本人女性にとって笑顔は自然。それと合わせて日本女性には可憐なイメージがあるので、ローマでは結構モテます。根が親切でフレンドリーな一般ローマ人達からは、色々と気遣ってもらえるはずです。
そのぶんナンパ男の標的にもなりやすいです。彼らは日本女性が押しに弱いということを理解している上で迫ってきます。
きっぱり「ノー!」と言えるようにしておきましょう。
それでもしつこくつきまとってきたら、近くのホテルやバールに逃げ込んでください。同じ理由で押し売りの標的にもなりやすいので注意が必要です。
あと、タクシーのぼったくりには気を付けてください。
ローマを個人旅行している日本人は、かなりの確率で被害に合っています。
「○○まではお幾らですか?」と確認してから乗るようにしましょう。
── 女性が1人で行動しても大丈夫でしょうか?
ナボナ広場やトレビの泉近辺など、夜でも観光客がたくさん集まるスポットは、夏場なら夜中12時くらいまで単独行動しても問題ないと思います。
ただ、人気の無い場所は暗くなったら1人で歩かないでください。
── 言葉はやっぱりイタリア語が話せないとダメでしょうか?
市内の所々にはツーリスト・インフォメーションがあり、英語で質問に答えてくれます。
またローマのホテルのスタッフは基本的に英語を話せます。
ローマは英語が話せる人が少ないですが、フレンドリーな現地人なら、何かを尋ねると片言と身振り手振りで教えてくれようとします。
バスドライバーなど忙しい人に英語で何かを尋ねても、冷たい態度をされるかもしれません。
しかし、その様子を見ている周りの人の中に英語の解るイタリア人がいると、ここぞとばかりに使ってくれます。
── 市内や観光地を移動するための交通機関はありますか?それらは初めて行く観光客でも大丈夫でしょうか。
地下鉄、バス、トラムがあり、行先の確認さえしっかりしていれば、初めての観光客でも使えます。
3つともATACという会社が運営しています。
同じ切符で、打刻から100分以内なら3つ色々乗り継いでも1.5ユーロです。切符は券売機や、キヨスクやタバコ屋さんなどで売っています。
市内を方々に渡って動き回りたいならば、24時間有効切符(7ユーロ)がお得です。
── 交通機関が発達しているなら空港からのアクセスも簡単ですか?
そうですね、空港からだとテルミニ駅までの直通電車「レオナルドエクスプレス」(14ユーロ)が便利です。
6時30分から22時35分まで、15分から30分おきに運航しています。
タクシーを使う場合は、空港からローマ市内までの基本料金は40~50ユーロです。
1人で乗っても4人で乗ってもこの金額なので「4人だから200ユーロ」などと吹っかけられたら、警察を呼びますよ、と脅してください。また空港を出ると白タクのドライバーが寄ってきますが、正規の乗り場のタクシーを使ってください。
── 初めてのローマ観光なら、ホテルはダウンタウン付近で取ったほうがいいでしょうか。
あちこちへの移動のしやすさを考えても、それがいいと思います。
ちなみにチップについてですが、こちらにはその習慣が無いので気にしなくても大丈夫です。
でも気持ちの良いサービスを受けて感謝の気持ちを表したいなら、ホテルのテーブルや枕元に小銭を置くのもいいでしょう。
まとめ
なんとなく初海外の行先としてのローマはハードルが高いように思うかもしれませんが、かなり治安も改善され、女性1人でも安心して満喫できそうな街であることが、智子さんの説明から伝わってきます。
智子さん、たくさんの魅力あるローマについて情報をありがとうございました。
直行便で成田からおよそ12時間。
美とグルメと人情の街ローマで、贅沢な休日をぜひ過ごしてみませんか?
お店の情報はこちら
イタリアン・マクロビオティックのお店:Un Punto Macrobiotico 基本情報
- 住所:29100 Piacenza Via Alberoni n° 38 – 40
※掲載の内容は、2016年取材時の情報を基に2024年3月に加筆していますが、予告なく変更される場合もございます。
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