海外旅行で不安になる要素の1つは、空港での各種手続き。
航空会社のカウンターで「チェックイン(搭乗手続き)」と「スーツケースなどの預け荷物」の手続き後に行うのが「保安検査」。
保安検査場では、飛行機に持ち込む手荷物や乗客の方が身に着けているものに危険物がないかを確認しています。
最近は、保安検査がより強化されたこともあり、混雑時期や時間帯によっては長蛇の列ができることも。
チェックインを済ませのんびりしていると、乗り遅れることもあるので要注意!
事前に手順を把握し、飛行機に持ち込めないものを確認の上、危険物となるものを手荷物に入れないようにすることで、保安検査をスムーズに通過することができます。
今回は、保安検査場での流れやよくあるトラブル、注意点をまとめました。
- 1. 保安検査までの流れ
- 2. 保安検査では何をチェックしているの?
- 3. 保安検査のながれ
- 3.1. 1、 パスポートや搭乗券、搭乗手続きに使用したQRコードやアプリを用意する。
- 3.2. 2、コートやジャケット等の上着を脱いで、トレーにのせる。
- 3.3. 3、手荷物を、上着とは別のトレーにのせる。
- 3.4. 4、手荷物の中のスマートフォン・パソコン・タブレット端末は別のトレーにのせる。
- 3.5. 5、液体物は取り出して別のトレーにのせる。
- 3.6. 6、財布・スマートフォン・ベルト・鍵などの金属類、マフラーや帽子などの衣類をトレーにのせる。
- 3.7. 7、くるぶしを覆う靴、底の厚い靴、金属などの装飾が多い靴を履いている場合は、靴を脱いで専用のトレーにのせる。
- 3.8. 8、金属探知器やボディスキャナーのゲートを通る。
- 3.9. 9、問題がなければ、手荷物を受け取って終了。
- 4. 注意!!保安検査で引っかかる手荷物として機内への持ち込みがNGなもの
- 5. 保安検査場でのよくあるトラブル
- 6. まとめ
保安検査までの流れ
まずは、空港に着いてからの大まかな流れを把握しましょう。
保安検査前後にもさまざまな手続きがるため、時間に余裕をもって空港に到着することが重要です。
1、航空会社カウンターでチェックイン(=搭乗手続き)
↓
2、航空会社のカウンターで預け荷物の手続き
↓
3、保安検査場でセキュリティチェック(=手荷物検査)
↓
4、税関手続き(出国審査場の手前にカウンターがあります)
↓
5、出国審査
↓
6、搭乗口
※国・都市によっては1~4の手続きが前後する場合もあります。
保安検査では何をチェックしているの?
保安検査では、飛行機に持ち込む手荷物や乗客の方が身に着けているものに危険物がないかを確認しています。
代表的な危険物としては、火薬を使用したもの、発熱するもの、凶器類などがあります。
物品は、以下のように大きく4パターンに分かれます。
1、機内持込手荷物、預け荷物いずれもNG
2、機内持込手荷物はOK、預け荷物はNG
3、機内持込手荷物はNG、預け荷物はOK
4、機内持込手荷物、預け荷物いずれもOK
以下は、機内持ち込み・お預けいただけない危険物の代表例(国土交通省のホームページ:外部サイト)に基づき記載していますが、渡航先、航空会社により規定が異なる場合がありますので、必ず確認してください。
項目 | 機内持込 手荷物 |
預け荷物 |
---|---|---|
液体類(殺虫剤、漂白剤、強力カビ取り剤) | × | × |
火薬を使用したもの(花火、クラッカー) | × | × |
瞬間冷却剤、ライター用燃料 | × | × |
電池類(電子たばこ、モバイルバッテリー、リチウム電池、液体バッテリー) ※それぞれ量や容量、個数に制限あり。 |
○ | × |
使用時に発熱するもの(ヘアアイロン、水中ライト) ※電池式の場合本体からリチウムイオン電池を取り外すことができる場合のみ預け荷物も可。 その場合、電池は機内持込手荷物へ。 |
○ | ○ |
喫煙用ガスライター・電子ライター、マッチ ※1人1個。種類や渡航先によってはNG | ○ | × |
凶器類(ナイフ/ハサミ類)先の尖ったもの、工具類 | × | ○ |
ゴルフクラブ、バット類 | × | ○ |
ワイヤレスイヤフォンとケース(電源をオフにできないため) | ○ | × |
空間除菌剤 (内容物が漏れ出した際に皮膚や機体にダメージを与える危険性があるため) |
× | × |
機内持ち込み制限品を機内に持ち込んだ場合は、航空法違反による罰則(50万円以下の罰金)が適用される場合があります。
保安検査のながれ
1、 パスポートや搭乗券、搭乗手続きに使用したQRコードやアプリを用意する。
検査場の手前で読み取り機にかざす事もあるため、列に並ぶ前に準備しておくとスムーズです。
2、コートやジャケット等の上着を脱いで、トレーにのせる。
2019年9月から上着の脱衣が必須になりました。
全ての乗客の上着が検査の対象となるため、保安検査場では上着を脱いでトレーに乗せ順番を待ちましょう。
3、手荷物を、上着とは別のトレーにのせる。
かばんなどの手荷物を上着とは違うトレーにのせましょう。
4、手荷物の中のスマートフォン・パソコン・タブレット端末は別のトレーにのせる。
スマートフォンやタブレット、パソコンだけ、なんでカバンからださないといけないの?と思った方もいるの
では?
X線検査では、パソコン内の電子部品がX線の邪魔になり、他荷物が確認できないため、分ける必要があります。
最新CT型X線手荷物検査装置では、全方向からの確認が可能な画像を生成できるため鞄から取り出さなくていい場合もあります。
5、液体物は取り出して別のトレーにのせる。
国際線においては100ml以下の容器に入れ、1リットル以下の透明のジッパー付プラスチック袋に入れた上でトレーにのせます。
単体で100mlを超える液体物(未開封のペットボトル・瓶入り飲料も含む)は、その場で放棄が必要です。
飲料が必要な場合には出国審査通過後の売店や自販機等で購入してください。
6、財布・スマートフォン・ベルト・鍵などの金属類、マフラーや帽子などの衣類をトレーにのせる。
ポケットの中身や、上着以外の衣類も外してトレーにのせます。
7、くるぶしを覆う靴、底の厚い靴、金属などの装飾が多い靴を履いている場合は、靴を脱いで専用のトレーにのせる。
靴の中に凶器や爆発物などが隠されていないかを調べるため、2019年9月から強化されたポイントの1つです。
以前は無作為に検査が行われていましたが、現在は対象者は全員となります。
8、金属探知器やボディスキャナーのゲートを通る。
ナイフやハサミなどの凶器となり得るものや、爆発物の検査が強化されています。
これまでも無作為に検査員が体に触れて検査が行われていましたが、これに加え、爆発物の検査装置を使った検査も新たに行われています。
※さらに確認が必要な場合は検査員による追加の検査を受けることもあります
9、問題がなければ、手荷物を受け取って終了。
取り忘れがないかをしっかり確認しましょう。
荷物が多いと、貴重品を忘れたりとトラブルにつながりかねないので荷物は1つにまとまっているほが安心です。
パスポートやボーディングパス(搭乗券)やスマートフォン、アクセサリーなど忘れ物がないようにしましょう。
1、靴は着脱しやすいシンプルなものにする。
2、手荷物の中に、危険物や液体がはいっていないかを事前に確認する
3、ポケットにいれてるものも、トレーにのせる(小銭、スマホなど)
注意!!保安検査で引っかかる手荷物として機内への持ち込みがNGなもの
危険物の代表例として、引火性、揮発性ガスを使用したスプレー、バッテリー、火薬を使用したもの、液体物、発熱するものなど様々ありますが、ここでは見落としがちなものをご紹介します。
先のとがったピンセットやハサミ
女性の化粧ポーチに潜みがちなのが「眉バサミ、ピンセット」など先が尖ったものです。
トラベルセットにお裁縫道具が含まれている場合、その中に針が入っていることも・・・
機内には手荷物として持ち込めませんので、予めスーツケースなどの預け荷物にいれましょう。
ナイフ
ナイフなんて持ち込まないだろう!と思いがちですが、ナイフやワインオープナーなどが一緒になったキーホルダーをうっかり手荷物に入れていたという方もいます。
また、爪切りも仕上げ用にスライド式のヤスリやナイフが付いてる事もあり、意外な盲点となります。
化粧ポーチの中身は、ほぼ液体?!
化粧ポーチに液体?と思いがちですが、日焼け止め、ハンドクリーム、クリームファンデーション、マスカラ、グロス、コンタクト、目薬、化粧水などこれらは全て液体です。
これがそのまま没収されたら、精神的にも金銭的にも大打撃!では、どうすればいいか。
国際線の場合、機内に持ち込める液体物の量は決まっています。
・ジッパーがついた透明プラスティック袋(容量1ℓ)にまとめていれる必要があります。
この100㎖は容器のサイズを指すので、例えば200㎖の容器に半分しか入っていない場合でも持ち込むことはできません。
透明の袋1ℓの目安は、正方形であれば20cm × 20cm以内、長方形であれば縦横合計が40cm以内となり1人1袋となります。
機内には、規定にそって必要なものだけを持ち込み、他はスーツケースなどに入れて預け荷物として預けましょう。
飲み物としての液体は?!
飲み物などの液体は保安検査場・出国審査通過後に、搭乗口付近で購入し機内に持ち込むようにしましょう。
保安検査場前で購入してしまうと一口も飲んでないのに没収・・・ということも。
尚、赤ちゃん連れの場合は、液体ミルク、粉ミルクを作るための水やお湯、離乳食などは除外品となり透明の袋にいれる必要はありません。
また、未開封の保存液に入ったコンタクトレンズや、塗り薬などの医薬品も対象外になります。
これら赤ちゃん用品や医療用品については、保安検査場で申告してください。
この場合も出来るだけ1つにまとめておくとスムーズです。
リチウムイオン電池が内蔵されたモバイルバッテリーなどのは要注意
旅行先においても外出時に充電できる便利な「モバイルバッテリー」を飛行機に持ち込む時には注意が必要です。
モバイルバッテリーは「予備電池」としての扱いとなり以下の規定があります。
項目 | 機内持込手荷物 | 預け荷物 |
---|---|---|
電子機器本体 | 160Wh以下 のもの:◯ | 160Wh以下 のもの:◯ |
160Whを超えるもの:× | 160Whを超えるもの:× | |
予備バッテリー | 100Wh以下 のもの:◯ | 100Wh以下 のもの:× |
100Whを超え、160Wh以下 のもの:◯ ※1人2個まで |
100Whを超え、160Wh以下 のもの:× | |
160Whを超えるもの:× | 160Whを超えるもの:× |
100Whって一体どのくらい?調べる方法は?
モバイルバッテリーの商品を調べると詳細が記載されているので、調べた上で持ち込むようにしましょう。
いずれにせよ、預け荷物としては持ち込みできませんので気を付けましょう。
渡航先や使用する航空会社により規定も異なるため、予め確認することをおすすめします。
ヘアアイロン、カーラー
コンセント式であれば問題ないですが、電池式・ガス式のヘアアイロンなどには注意が必要です。
電池がリチウムイオン電池の場合、本体から電池を取り外すことができれば、本体は機内持ち込みでも預け荷物としても預けることができます。
その際、取り外した電池は預け荷物には入れず、機内持込手荷物でのみ、持ち込むことが可能です。
しかしながら、本体から電池を外すことができなければ、機内持ち込み、預け荷物いずれもNG=飛行機では持っていけません。
意外?!これは手荷物OKなもの
安全マッチや電子・ガスライターは、1人1個まで機内への持ち込みが許されている場合もあります。
喫煙者の方は空港で焦って預け荷物に入れても、預け荷物としては持ち込めないので注意が必要です。
渡航先や使用する航空会社により規定も異なるため、予め確認しておくことでトラブル回避できます。
保安検査場でのよくあるトラブル
漠然とした不安を取り除くためには、トラブルを知って対策を講じることです。
「保安検査でどんなトラブルが起きえるのか?」をよくある例をもとにみてみましょう。
搭乗時間に間に合わない!?国際線の場合、保安検査は何分前にすませておけばいい?
国内線の場合は多くの航空会社が、「出発時刻の20分前までに保安検査場を通過してください」と案内をしていますが、国際線では「出発時刻の30分前までに搭乗口に来てください」と案内していることがほとんどです。
そのため、保安検査は遅くとも1時間前には通過できるようにしましょう。
そのためには、保安検査場の混雑状況をみて列に並びはじめる必要があります。
航空会社のカウンターでのチェックイン手続き後、保安検査、出国審査での手続きを終えた後に、搭乗口の場所を確認してから搭乗までの時間を過ごすのが安心です。
手荷物を没収!?大切なものを没収されないためには
化粧ポーチの中に入っていた液体類や眉バサミなど、機内持ち込み不可なものが手荷物に入っていたため、没収された。なんてことは多々発生してます。
これを防ぐには、事前の確認と準備しかありません。
飛行機に持ち込めないものを、空港にもってきてしまったら?
帰りが同じ空港を利用するのであれば、空港内のコインロッカーを利用したり、郵送できるものであれば自宅に郵送することはできますので、慌てず対処しましょう。
見送りの友人や家族がいれば預かってもらえないか頼んでみましょう。
当然ながら、空港や、航空会社が預かってくれることはありません。
また、保安検査場を通過すると、基本的には戻れませんので事前の確認が必要です。
まとめ
当記事では、国際線の手荷物検査に関する情報を紹介しました。
日本国内においては、成田国際空港・羽田空港・関西国際空港・セントレア(中部国際空港)の一部レーンで時間短縮などを図るため、全方向からの確認が可能な画像を生成できるCT型X線手荷物検査装置や、複数の乗客が検査レーンを同時に利用できる「スマートレーン」などが導入されました。
しかし、保安検査を強化していることもあり、夏休みや年末年始の混雑時期、外国からの観光客が多い時期には特に時間を要する可能性があります。
保安検査の手荷物検査で時間が掛かって出発時刻に遅れると、最悪の場合は先に飛行機が出発しておいて行かれてしまうことも、、、
そのため、国際線を利用する際には渡航先に関わらず大切なものや、せっかく購入したものなどが没収されないよう、事前に準備し、時間と気持ちに余裕をもって手荷物検査を終わらせるようにしましょう。
個人的には国際線の場合、空港には3時間~2.5時間前の到着をおすすめします。
海外においてトラブルが発生した場合には、時間がない上に言葉の問題や、文化の違いなど、不安や焦りがつのるばかりです。
2、持ち物規定をしっかり確認する
渡航先や、航空会社によっても飛行機への持ち込み規定が異なります。
日本の保安検査では引っかからなくても、帰国時には持ち帰れないなんてことも。
事前に準備することで、没収されたり、廃棄されたり悲しい気持ちにならずにすみます。
高額なもの、大切なものだけでも確認しておくと安心です。
▼年末年始&冬休み旅行特集はこちら
▼海外旅行をお探しの方はこちら