ポーランドの古都クラクフと人類の負の遺産アウシュビッツ

ポーランドの古都クラクフと人類の負の遺産アウシュビッツ

ポーランド文化が花開いた観光都市クラクフ

 クラクフ中央広場
クラクフ中央広場

東はベラルーシにウクライナ、南にはチェコとスロバキア、西にドイツ、北はバルト海に囲まれた国・ポーランド。
国名が「平原」という語源からきているとおり、国土は緩やかな大地に覆われ、ヨーロッパの東と西を繋ぎ、多くの人やもの、文化が往来する国でした。
しかし、ヨーロッパの中央に位置しているがゆえ、戦争で何度も破壊や荒廃を経験。
一時は国家自体が消滅する危機に陥るものの第一次世界大戦後に復活を果たします。

ポーランドの南に位置する都市クラクフは、11世紀から16世紀にかけて500年以上もの間、ポーランド王国の首都として栄えた古都。
第二次世界大戦ではナチス・ドイツの支配下に置かれますが、中世の建築物が残る町並みは奇跡的に戦火を免れます。
ポーランド文化の中心地といわれ、世界遺産に指定されたクラクフ旧市街の観光スポットは今も王国の輝きを語り継いでいます。

日本から観光都市クラクフに向かうには?

ポーランドまで飛行機
日本からクラクフまでは直行便がないため、ヨーロッパの他の都市経由で乗り継いで向かう方法が一般的です。
LOTポーランド航空は東京・成田空港から首都ワルシャワまで直行便があり、ワルシャワからクラクフまでは空路で約1時間。
他に、日本からヨーロッパまで最短の飛行時間を誇るフィンエアー、ヨーロッパ全域へアクセスがしやすいルフトハンザドイツ航空も日本各地(東京・関西・中部)に就航していて、1回の乗り継ぎでクラクフに向かうことができます。

四季折々で変化するクラクフの観光

クラクフ観光
北海道より北に位置するクラクフは、真夏でも平均気温は25℃を下回り、冬は最高気温が0℃前後までしか上がらない日が続くことも。
冬場に訪れる場合、なるべく暖かい服装を準備しておくと安心です。

四季ごとに変化する風景は、ポーランドの魅力といっていいでしょう。寒い冬が終わり、復活祭のイースターが近づき始める春は市場にカラフルな卵の装飾品(イースターエッグ)が並び、雰囲気も華やかに。

6月から8月にかけては最もクラクフに観光客が訪れる時期で、白夜の影響で夜21時前後まで明るく、町全体が活気づきます。
実はポーランドで一番雨の降る季節は夏。そのため、この時期は雨具の準備もお忘れなく。

賑やかさも一段落した秋は本来の落ち着きが取り戻され、真っ赤な紅葉が石造りの建物に映えます。
再び訪れた冬は、ヨーロッパ国内でも高い評価を得ているクリスマスマーケットでそぞろ歩きを楽しみましょう。
寒さも忘れる、あたたかな時間を過ごせます。

クラクフ旧市街は観光名所の宝庫

中世時代から時が止まったようなクラクフは観光しがいのある町。
コンパクトな街の中に趣ある建物が集まり、旧市街に限っていえばほぼ徒歩で巡ることができます。

中央広場

中央広場
中央広場

クラクフ観光をスタートするなら、まずは「中央広場」へ。
200mにも及ぶ広さはヨーロッパ内でも有数で、カフェや屋台が並び、クラクフを訪れた観光客だけでなく、地元の人たちも思い思いの時間を過ごします。

聖マリア教会

 クラクフ聖マリア教会
聖マリア教会

広場には織物会館、聖マリア教会、旧市庁舎塔といった街の歴史で欠かすことができない建物が建ち、壮観な景色に圧倒されます。
特に聖マリア教会では毎時ラッパの生演奏で時を告げますが、これは700年続くクラクフの伝統。
13世紀にモンゴル軍の襲来をラッパで知らせ、命を落としたラッパ吹きにちなみ、今でもメロディーは突然鳴り止むようになっています。
またゴシック様式の教会内部も鮮やかなステンドグラスと黄金色が溢れ、そのまばゆさに息を呑むほど。

ヴァヴェル城

ヴァヴェル城
ヴァヴェル城

旧市街の南に位置する「ヴァヴェル城」もクラクフ観光で訪れたいスポット。
16世紀まで国王の居城だったこの場所は、ルネサンス様式が施された部屋を見学できるほか、金色のドームが目印のジグムント礼拝堂もかなりの見ごたえです。
大広間や庭園、宝物や武具が展示された博物館など見学したいエリアごとにチケットを購入する流れで、チケットには指定された入場時間が記載されています。

ユダヤ文化が残るクラクフ南東部も観光しよう

観光都市クラクフの歴史で欠かすことができないのが、旧市街の南東に位置する「カジミェシュ地区」。
こちらには中世の頃より多くのユダヤ人が住んでいたため、祈りを捧げるシナゴーグやヘブライ語が綴られたレストランが築かれていました。
一時は閑散となってしまったものの、現在はクラクフの観光地して再びスポットを浴びることに。
ヨーロッパの雰囲気が漂う旧市街とは一味違う世界観を放っているエリアです。

クラクフ観光のおみやげは織物会館で

クラクフ織物会館
クラクフ織物会館

旧市街の中央広場に建つ「織物会館」。
ここは、織物を取引する場として13世紀に建設され、その後14世紀にゴシック様式、16世紀にルネッサンス様式へと変貌を遂げたクラクフの観光名所となっています。
100mほど伸びた煉瓦造りの建物内には、琥珀などポーランドを代表するおみやげがたくさん。
2階はクラクフ国立美術館があり、18世紀から19世紀にかけてのアート作品が展示されています。

クラクフ観光中に食べたいポーランドの名産グルメ

ピエロギ
ピエロギ

民族と文化の往来で、西欧とは違う食事が楽しめるのがポーランドグルメの魅力です。
内陸に位置するクラクフでは肉料理がメイン。
特に伝統料理として有名なのが、餃子のような見た目のピエロギです。
もちもちの皮に玉ねぎやひき肉、チーズなどを包んで茹でたもので、日本人にも比較的親しみやすい味。
お肉がたっぷり入ったものからフルーツが具になったスイーツ系まで種類も豊富で、スーパーで売られているほど身近なメニューです。
クラクフ観光でぜひ食べたい一品です。

クラクフを観光に便利なホテルは?

ノボテルクラクフセントラム
ノボテルクラクフセントラム.

旧市街に観光名所が集まるクラクフでは、ホテルも旧市街に近い方が便利。
ノボテル クラクフ セントラム」は、クラクフを横断するビスワ川沿いにあり、気軽にクラクフ観光へ出掛けやすいホテルです。
部屋からは同じく川沿いに築かれたヴァヴェル城が望め、旧市街も徒歩圏内という抜群のロケーションです。

見どころいっぱい! クラクフ発の郊外観光ツアー

カルヴァリア・ゼブジトフスカの劇
ルヴァリア・ゼブジトフスカではイースターの時期には「キリストの受難」を題材にした劇が行われます

クラクフ自体の観光は一日あれば巡れるので、ぜひクラクフ郊外の観光名所にも足を運びたいところ。
特にクラクフ周辺にはヴィエリチカ岩塩抗やアウシュビッツ・ビルケナウ強制収容所だけでなく、南部マウォポルスカの木造教会群やカルヴァリア・ゼブジトフスカというカトリックの巡礼地など複数の世界遺産が集まっていて、クラクフ発のオプショナルツアーで訪れることができます。

世界遺産1号の名誉、ヴィエリチカ岩塩抗

ヴィエリチカ岩塩抗
世界最古のヴィエリチカ岩塩抗は現在も活躍中の坑道

クラクフの南東、観光名所として名高いヴィエリチカ岩塩抗は、14世紀より塩の採掘が始まった岩塩鉱山です。
この地で採れる塩は当時ポーランド王国を支える重要な財源でした。
そのため、坑道は700年の歳月を経て、長さ300km、深さ300m以上に成長するまでに。
鉱山内には地中とは思えないほど天井が高い礼拝堂や精巧なレリーフがあり、どちらも岩塩で作ったとは信じられない傑作となっています。

ヴィエリチカ岩塩抗が世界遺産に登録されたのは1978年、この年はユネスコで世界遺産が始まった年でもあります。
地球上で最初の世界遺産に選ばれた12の遺産のなかに、ポーランドのヴィエリチカ岩塩抗とクラクフの旧市街があったのです。

人類の「負の世界遺産」、アウシュビッツ

アウシュビッツ
列車にユダヤ人を乗せ、そのまま収容所に運送したレール

人類の栄光を刻む世界遺産。
そんな中で、例外的に過ちを繰り返さない教訓として記録する遺産があります。

それが負の世界遺産といわれ、ユダヤ人の大量虐殺が行われたアウシュビッツ・ビルケナウ強制収容所もそのひとつ。
ナチス政権の迫害により、110万以上の人たちがアウシュビッツとビルケナウ強制収容所で命を落としました。

展示されている遺品や写真の数はあまりにも膨大。見るものすべてに圧倒されるのは間違いありません。

収容所では当時の建物やガス室が保存され、内部も見学可能です。余計な脚色が必要ないほど、当時の残虐な様子が伝わり、戦争が生み出した狂気を目の当たりにする貴重な場所といえます。

入場料は無料で、ガイドなしでも見学できますが、事前予約が必要です。
ガイド付きツアーの方が吸収する情報量も違ってくるのでおすすめです。

ワルシャワ←→クラクフも日帰り観光で

ワルシャワ
時間があれば、ポーランドの首都ワルシャワもクラクフ同様に観光で訪れたいところ。
第2次世界大戦直後はドイツ軍により街の大部分が破壊され荒廃しましたが、その後、当時の様子が記録された風景画や写真、図面を元に、国民の手で復元されました。
その偉業が評価され、街は世界遺産にも登録。復興のシンボルとなりました。

ワルシャワは音楽家ショパンが生まれた街でもあり、ショパンゆかりの地を訪ねるツアーも人気です。


東西ヨーロッパを繋いだ地として発展したポーランドの古都クラクフ、世界遺産に登録された旧市街は中世の面影が今も色濃く残ります。
列強国から何度も困難を強いられながらも復活を遂げたポーランド人。
「ポーランドは未だ死なず」という国歌のタイトルがまさにそのことを表しています。
ヨーロッパの辛酸と栄光の歴史が詰まった古都・クラクフは観光以上の何かを得る旅となることでしょう。

 

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投稿日:2019.09.06

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