この記事を書いたひと
カナマルトモヨシさん
国内および世界各地をクルーズで訪問する航海作家。
雑誌『クルーズ』(海事プレス社)で連載やクルーズ乗船レポートなど執筆。
同社発行「クルーズシップ・コレクション」の執筆にも携わる。クルーズ記者会会員。
いま、クルーズ旅行は密かなブーム
日本から気軽に参加できるクルーズ旅行がブームです。
現在、横浜や神戸から発着する「ダイヤモンド・プリンセス」や、金沢や福岡など日本海側の港町から発着する「コスタ・ビクトリア」(2017年からは「コスタ・ネオロマンチカ」が就航)が頻繁に、しかもかなりの低価格かつ短期間の日本発着クルーズを実施しています。
また、新たに日本発着史上最大級客船の「MSCベリッシマ」も就航し、更に注目度UP!
参加者もシニアにとどまらず、働き盛りの世代から子どもたちまでとその世代が急速に広がりつつあり、クルーズという旅行に対する注目や関心がこれまでになく高まってきています。
クルーズは3つのカテゴリーに大別される
実はひとくちに「クルーズ」と言っても、さまざまなスタイルがあります。
価格や客層によって大きく3つのカテゴリーに分けられます。
クルーズの旅行についての知識はなにも持ち合わせていない方でも、「クイーン・エリザベス」という客船の名前を一度は耳にしたことがあるかもしれません。
こちらはラグジュアリーという最高カテゴリーに分類されます。
「ダイヤモンド・プリンセス」はラグジュアリーに次ぐプレミアム、そして「MSCベリッシマ」や「コスタ・ネオロマンチカ」はスタンダード(カジュアルとも呼ばれます)となっています。
初心者にオススメのスタンダード客船
このなかでクルーズ旅行の初心者にオススメなのはスタンダードの客船です。
ここではMSCベリッシマの【気軽に秋のショートクルーズ6日間 東京港発】を例にとってみます。
「5泊6日で106,800円~、1泊あたり2万円台」と、リーズナブルな価格と長過ぎない日程でおすすめ。
※内側客室の2名1室利用時の1名様あたり
※ドリンク・一部レストランやサービスは有料
※2024年5月時点の料金です。料金は変更になる場合があります。
そして乗船者層も他のカテゴリーに比べ子ども連れのファミリーが多いなど、「自分だけがビギナーじゃないんだ」と安心でき、初めてのクルーズの旅行でも気軽に過ごせるからです。
海外発着クルーズならいつでも楽しめる
こうしたコスタやプリンセスなど外国船の日本発着のクルーズは、残念ながら通年ではなく、春から秋にかけてしか行われません。
一方、海外発着のクルーズなら1年中、世界の各地で実施されています。
また、寄港地が国内中心の日本発着クルーズに比べて、海外発着クルーズだと寄港地は全て外国なので、「普通とは違う海外旅行」を演出できます。
代表的なクルーズエリアは地中海とカリブ海。
夏限定ですがアラスカや北欧も人気のエリアです。
また、アジアではシンガポール発着の東南アジアクルーズ(3~4泊前後)がポピュラー。
日本からのフライト時間も短いので、クルーズ旅行のデビューにはちょうどいいかもしれません。
日本人コーディネーターのいる船に乗ろう
海外発着クルーズの旅行では「日本人コーディネーター」が乗船しているものを選ぶのがベスト。
外国船はさまざまな国の乗客が相乗りしておりインターナショナルなムードにあふれますが、コミュニケーション面でストレスを感じてしまう可能性もあります。
日本人コーディネーターがいれば、1日の船内プログラムを記した「船内新聞」も日本語版が発行され、日本語で問い合わせることも可能です。
ドレスコードも心配無用
クルーズという旅行スタイルの魅力は、なんと言っても飛行機や陸上交通の利用ではなかなか周れない場所にも行けることでしょう。
たとえばカリブ海だとマルティニーク島や、アドリア海では旧ユーゴスラビアの小国モンテネグロにあり、世界遺産にも指定されているコトルなどがその最たる例です。
船内で行われるイベントは乗船料金に含まれており、一流のショーを毎日楽しめます。
含まれているといえば船内での美味しい食事も。
船長主催のウェルカムパーティーや、フォーマルディナーなどもあります。
ところでフォーマルというと「男性はタキシード、女性はロングドレス」というイメージはありませんか? 心配ご無用。
現在、そこまで厳格なドレスコードを強要する客船はありません。
ある女性の方は、いつも「着物」を持参するそうです。
フォーマルディナーの日に着物姿で登場すると、欧米など海外の乗船者からの注目が集まり、一躍、船内の人気者になれるとのこと。
「私は日本からやってきました!」とアピールできるファッションも面白いかもしれません。
船内での出費は計画的に
こんな素敵なクルーズという旅行スタイルですが、気になるのが船内でのお金。
安い!と思って乗船したのに、意外と船内でお金がかかったりすることもあります。
例えば、バーやラウンジでのアルコール飲料は別料金。
スパを利用した際のアロマセラピーなどのサービスも同様です。
また、日本ではできないカジノを備えた船も多く、あまりにも熱が入りすぎて気がつけばお財布の中身が……というケースも。
クルーズ旅行における船内の出費は計画性が必要だということを覚えておきましょう。
オプショナルツアーを有効に活用しよう
寄港地での滞在時間も限られるのがクルーズという旅行の特徴。
なかには3~4時間だけの寄港というケースもあります。
あれも見たいこれもしたい、という欲張りスタイルよりも、「ここではこれを見る、これをする」と決めておいた方がベターです。
現地発着のオプショナルツアー(選択小旅行)に参加するのもいいでしょう。
どの寄港地でも、クルーズ船社が用意した観光ツアーがいくつかあります。
値段はちょっと高めかもしれませんが、初めて訪れる寄港地を効率的に巡りたいなら強い味方になるはず。
日本語のツアーを用意している船会社もあるので、これに参加すれば有意義な陸上行動ができます。
人とはちょっと違った海外旅行をしてみたいなら、クルーズ旅行を一度試してみませんか。
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本文は一部、2023年の情報を弊社社員により加筆しています。