カナダでオーロラを肉眼で鑑賞するには
カナダ旅行の前に、まずオーロラの基礎知識から。オーロラ鑑賞というと、極寒の地で、寒さに対する完全装備をして寒さに震えながら何時間も待機して……というイメージがあります。
確かにオーロラは、北極または南極近くでしか観察ができませんが、寒さが条件ではありません。
オーロラが見られる場所と条件とは次の3つです。
条件1:オーロラベルトの下の地域
オーロラベルトとは、地球の北極に近い地域と、南極の近い地域にそれぞれの極を中心とした環状に存在します。
オーロラを見るためには、オーロラベルトの下の地域へ出かける必要があります。
条件2:天気が晴れであること
雲は上空5km~18kmに浮遊し、オーロラは、上空100km~500kmに出現します。
よって、空が雲で覆われてしまうと、オーロラは見ることができません。
条件3:空が暗いこと
オーロラベルトは月や星と同様に常に存在していますが、空が暗くなって初めて観察が可能になります。
日本でも、ネオンのない田舎の方が満天の星を楽しめますよね。
同様に、オーロラも空が暗いことが見るための絶対条件なのです。
カナダのオーロラがお勧めな理由
カナダ随一のオーロラ鑑賞地であるイエローナイフとホワイトホースについて簡単に紹介しましょう。
イエローナイフは世界でもっともオーロラ見物ができる場所として認知されています。
何よりオーロラベルトの真下の地域なので、天空から降り注ぐ光に心を動かされることでしょう。
この土地の11月、12月は、夜の暗い時間も長く、空気も乾燥しており、天気も3日連続で雪や雨という可能性は低いとされています。
その証拠に、3夜連続してオーロラ観察に出かけたカナダ旅行者の95%は、1度はオーロラを観察できるとのこと。
したがって、オーロラ観察に出かける予定が3夜分は組まれている日程を選びましょう。
一方、ホワイトホースは、イエローナイフより北にある大自然の中の小さな町。
こちらも高確率でオーロラ鑑賞が成功できる場所です。
イエローナイフと比べほんのわずかに鑑賞成功率は劣りますが、それでも4夜連続なら96%が成功するという高確率。
位置的にはオーロラベルトの端に位置するので、オーロラは天空低く出現します。
このため、イエローナイフと比較すると、オーロラ目的の観光客が少なめなので、静かに二人の世界でオーロラを見たいというロマンティックなカナダ旅行にはホワイトホースがお勧めかもしれません。
ティーピーで待つオーロラ~イエローナイフ~
イエローナイフでは、オーロラを鑑賞するために待つ施設として、オーロラビレッジがあります。
そこには、ティーピーというカナダの先住民が使っていたのと同じテントがあり、独特の風情があります。
ティーピー内は暖炉がありますので、寒さも気になりません。
また、スタッフはカナダのオーロラ鑑賞を知り尽くした日本人や現地の方々なので、言葉も心配なく、思う存分オーロラについて話をすることができるでしょう。
冬の寒い時期であればオーロラを待っている間に、スタッフ主導のもと、冷凍シャボン玉を飛ばしたり、冷凍バナナをトンカチにした釘うちなど、ちょっとした極寒体験も。
ゆったり派にお勧めのホワイトホース
もしも、カナダでオーロラを見ながら日本語がなるべく耳に入らない場所でゆっくり楽しみたいなら、ホワイトホースがおすすめかもしれません。
イエローナイフのオーロラビレッジほど施設や日本語スタッフは充実してはいませんが、ヤートと呼ばれるドーム状の屋根のテントが暖をとれる施設としてよく利用されています。
また、カナダでホテルに滞在することにこだわらないのであれば、宿泊場所としてヒドゥン・バレー・ベッド・アンド・ブレックファーストというベッド&ブレックファーストをチョイスしてみましょう。
ホワイトホースの市内から17km離れているので、ツアーに出かけなくても、オーロラの出現を待機できます。
ホワイトホースにはタキーニ温泉があり、濡れた髪がすぐ凍り付くような環境で温泉につかりながらカナダのオーロラを楽しむというチョイスもあります。
イエローナイフ、ホワイトホースへアクセスするには?
イエローナイフへは、成田空港からカルガリー空港またはバンクーバー空港経由(場合によってはもう1か所、カナダ国内のエドモント空港経由)のフライトとなります。
1か所経由の場合は14時間弱、2か所経由の場合は18時間弱で到着です。
ホワイトホースへは、成田空港からバンクーバー空港で乗り換え、トータル14時間弱のフライトになります。
フライトによりますが、乗り換えが2回発生してしまうかもしれないイエローナイフへの旅より、ホワイトホースへの旅の方がお手軽と言えるかもしれません。
カナダでオーロラを見るための旅の準備
カナダでオーロラを見るにはやはり準備が肝心。装備や道具について知っておきましょう。
【北極圏用の極寒対策】
イエローナイフは、北緯62度27分、ホワイホースの北緯は60度43分。
日本の最北端である北海道択捉島が45度33分ですから、その高緯度から寒さは推して知るべし。
当然、それなりの装備が必要です。
まず中に着る熱効率のいい下着やフリース、顔や首をカバーするフェースカバーやネックカバー、厚手の靴下は日本から持参しましょう。
一番外側に着る防寒具は、現地調達を前提に購入かレンタルがおすすめ。
ツアーの中に防寒具のレンタルサービスが含まれているものを選ぶと便利でしょう。
【オーロラ撮影のための準備】
一生に一度かもしれないカナダでのオーロラ体験。
ぜひデジタルカメラも持っていきましょう。
ただ、オーロラ撮影にはコツが必要です。
日常でも夜景の撮影や、月や星の撮影は手ぶれしてしまったり、光を上手くとらえられず何を撮ったかわからない写真になってしまいがち。
そこで以下のような道具があると便利です。
- オーロラ撮影に準備したい道具
- 1.シャッタースピードをコントロールできるカメラ
- 2.三脚+レリーズ
- 3.予備のバッテリー
- 4.作業ができる手袋
シャッタースピードをコントロールできるカメラは、夜景モードや花火モードで写る場合もありますが、15秒以上シャッターを開けたままにできるものが望ましいです。
撮影方法は「長時間露光」で検索して、日本にいる間に「カメラの設定方法」や「コツ」をしっかりと予習しておきましょう。
三脚+レリーズは、手ぶれ防止用です。手持ちでの撮影は長時間露光ではうまく撮れません。
カメラを固定できる三脚をコンパクトなサイズのもので購入しておきましょう。
予備のバッテリーは、外気が低いせいで故障かと思うほど早くバッテリーが消耗するため必須です。
カメラに入れたもの以外に2個用意するようにし、使っていない間は衣服の内ポケットに入れて体温で温めておくと良いでしょう。
作業ができる手袋は、素手でカメラを触ると皮膚が金属部分に貼り付いてしまう場合があるためです。
凍傷になる可能性もありますので、作業しやすく毛羽の出にくいカメラ用の手袋をインナー手袋として持参しましょう。
オーロラ爆発に出会えれば、一生の思い出に
「カナダの空でオーロラが見えた!」といっても、うっすらと空の色が少し変わっただけの場合もありますし、濃いカーテンが天空を覆っているように映る場合もあります。
オーロラはあくまで自然現象ですから、どんなレベルのが見られるかは運次第。
運が良ければ鳳凰や、天使の羽のような形をした、俗に言う「オーロラ爆発」が見られるかもしれません。
天から圧倒的な光が降り注ぐオーロラ爆発を目にした人々は「カナダで見たオーロラは一生もの」と口をそろえて語ります。
極寒のカナダで見るオーロラは、唯一無二の思い出として人生のアルバムに深く刻まれることでしょう。
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