偉大なる世界遺産カンボジア・アンコールワット

偉大なる世界遺産カンボジア・アンコールワット

アンコールワットの観光

アンコール遺跡が世界文化遺産として登録されたのは1992年。
約600年に渡って繁栄したアンコール王朝の栄華を象徴するかのような美しい建造物がたくさんありますが、長い歴史の中で繰り返された侵略や内戦のため、大きなダメージを負ってきました。

そのため幾度となく大規模な修復が繰り返され、現在に至っています。
日本からも修復のための費用が提供されており、その額は30億円とも言われているとか。
その甲斐あって、世界の人々からは「一生に一度は見たいスポット」と称賛され、数ある世界遺産の中でも高い人気を誇っています。

この記事ではカンボジアが世界に誇るアンコールワットについて詳しく解説します。

神が宿るアンコールワットとは

カンボジア国旗
アンコール遺跡はカンボジアの北西部に位置しています。
約400平方kmという広大な面積で、大小600の遺跡群が残されています。
9~15世紀前半、カンボジアが前身のクメール王国だった頃に建設されました。

日本では「アンコールワット」という名がよく知られています。
これはアンコール遺跡の一つである、ヒンドゥー教寺院のことです。
12世紀の半ば、30年の歳月をかけて建設された、アンコール遺跡群の代表的な建築物として有名です。

アンコールはサンスクリット語で「王都」ワットはクメール語で「寺院」という意味です。
世界遺産の広大なアンコール遺跡の中の「寺院」という意味あいからも代表的な建物の意味があり、カンボジアの青と赤い国旗の中にも中央にシンボルとして描かれています。

アンコールワットを含むアンコール遺跡の建築物は、ヒンドゥー教ならではの「クメール建築」で建てられました。
神の宮殿は岩やレンガを用いて造り、 人間である王の宮殿は木で造るなど、建材を使い分けているのが大きな特徴です。

カンボジアのアンコールワットの回廊のレリーフ
カンボジアのアンコールワットの回廊のレリーフ

いたる所に刻まれた美しいレリーフ(浮き彫り)も、この遺跡の象徴です。
特にアンコールワットを囲む水濠、また、3つの回廊には天国と地獄が描かれたレリーフ、そして天地創造を表現する「乳海攪拌(にゅうかいかくはん)」などの壁画があり、美しさと共に、見る者の心に語りかけてくる迫力があります。

遺跡のほぼ中心部に位置する高さ65mの祠堂(しどう)があり、この頂上からは何にも視界を遮られることなく、アンコールワット全体を見渡すことができます。
訪れたならぜひその眺望を体感するべき!と言いたいのですが、それには急な階段を上っていかなければなりません。
暑さの中でも体力に自信のある人は、ぜひ挑んでみてください。

staff_yYUさん
アンコール遺跡群を観光するには、アンコール パスと呼ばれるアンコール遺跡群の入場券が必要です。1日券(37USドル)・3日券(62USドル)・7日券(72USドル)の3種類があります。
パスはいずれも顔写真・チケット有効期間など明記されるので、旅の思い出のひとつになります。

アンコールトムやタ・プロムの遺跡も見逃せない

カンボジア アンコールトム
アンコールトム

アンコール遺跡全体はとてつもなく広大なので、全体をじっくり見て回るには数日を要します。
象徴的なアンコールワットだけを見学しても満足できるかもしれませんが、せっかくなら他の遺跡もぜひ見てみましょう。
オススメはアンコールワットの北に位置する「アンコールトム」です。

3km平米の面積があるアンコールトムには、約80の王宮や寺院の遺跡があります。
中心にあるバイヨン寺院は、ヒンドゥー教ではなく仏教寺院です。
アンコールトムにある5つの門の中で最も美しいと評価されている南大門や、バイヨン寺院へ向かうと長い道にそびえるたくさんの石像は、まさに悠久の歴史を感じるものばかり。

アンコールトムの東側に位置する「タ・プロム」も、ぜひ立ち寄りたい遺跡の1つ。
巨大なガジュマルが根を張り、そうした樹木に飲みこまれそうな人工の建造物の姿は強いインパクトがあります。

タ・プロム
タ・プロム

建設されたのは他の遺跡と同時期ですが、発見されたのは19世紀になってから。
もし発見されなければ、ジャングルに飲みこまれていたであろうと思われる風景には圧倒されると同時に、自然の強さを感じずにいられません。

広大なアンコール遺跡を巡るには、事前に見学したい遺跡をリサーチして、ルートを設定しておくのがベストです。
もちろん、遺跡群の観光拠点であるシェムリアップ出発のオプショナルツアーもあるので、利用すれば迷わずに巡ることができます。

映画の中の世界。密林の巨大遺跡 ベンメリア

ベンメリア遺跡
ベンメリア遺跡

アンコール遺跡群のひとつであるベンメリア。アンコールワットから東に約50kmの位置にあります。
3重の回廊、中央祠堂をもつ構造、壁に刻まれたレリーフ画などアンコールワット遺跡と多くの類似点を持つことから「東のアンコール」とよばれています。
苔に覆われた屋根や石、光が差し込まない回廊、崩れそうな寺院の屋根など、遺跡が発見された当時に近い状態で観光することができます。
古代アンコール王朝の面影が強く残り、その神秘的な雰囲気から人々を魅了している密林の巨大遺跡ベンメリア近年は有名アニメ映画の舞台にもなったのではと噂され、訪れる人は絶えません。
修復の手が入っていないベンメリアの神秘的で独特な世界をお楽しみいただけます。
シェムリアップ空港が郊外へ移設したことにより、ベンメリア遺跡へ所要時間は約40分とアクセスしやすくなりました。

staff_yYUさん
ベンメリアの入場にもアンコールパス(アンコール遺跡群の入場券)が必要です。
ベンメリアでもアンコールパスの購入が可能です。

アンコールワット観光と一緒にベンメリア遺跡観光もいかがでしょうか。

アンコールワットへの行き方・アクセス方法

カンボジアの行き方
アンコールワットの観光の拠点となるシェムリアップには国際空港もありますが、日本からの直行便はありません。
多く就航しているのはベトジェットエアやベトナム航空などのベトナムでの乗り換えです。
所要時間はハノイを経由した場合、成田からハノイまで約6時間、ハノイからシェムリアップまで約2時間、プラス待ち時間です。
シェムリアップに到着後、シェムリアップ国際空港からアンコールワットまでは車で約55分(約45km)ほどです。

アンコールワットまでの移動は公共交通機関が発達していないため、タクシー、バイクタクシー、トゥクトゥクのいずれかを選択します。
パッケージツアーであれば、空港からホテルまでの送迎がついている場合がほとんどです。

巨大なアンコール遺跡を見学するために、バイクや自転車などのレンタルもありますが、現地は交通マナーが良くありません。
最も便利で楽なのはトゥクトゥク(三輪タクシー)です。日本円で3,000~4,000円程度あれば1日チャーターできます。

アンコールワットを含むアンコール遺跡群を巡るツアーに参加するのが効率的でおすすめ!
日本語ガイドが付くツアーも充実していて、半日ツアーや朝日鑑賞など、多彩なツアー内容で展開されていますよ。

アンコールワット観光へ行く際に押さえておきたいポイント

観光する上でのポイント
遺跡はとても広く、階段は滑りやすく石畳はでこぼことしているので疲れにくいスニーカーで行くのがベストです。
乾季の場合は砂埃でスニーカーの色が変わってしまうかもしれませんが、歩きやすく足を守ってくれるでしょう。
また、神聖な寺院ですので、短パンなどの肌の露出が高い服装は避けましょう。

必要な持ち物

カンボジアは入国する際ビザが必要です。
日本で事前に取得できる「e-VISA」、シェムリアップ空港で取得する「アライバルVISA」があります。
e-VISAは事前に取得出来るので、入国審査の待ち時間が少ないのがメリットです。
アライバルVISAはe-VISAよりVISA申請代金が安く、パスポートに証印シールが貼られるので、思い出に残りやすいです。(e-VISAはスタンプのみ)
e-VISAのWEBサイトは公式以外にも偽サイトも多いです。
必ず、公式サイトから申請をしてください。

staff_yYUさん
通貨は「リエル」で、日本では両替できません。
出国前に一度米ドルに両替し、現地でそれをリエルに両替する必要があります。レートは1円35リエル前後です。

猛烈な暑さにご用心

カンボジア・シェムリアップへの旅行で最も気を付けたいのが「暑さ対策」です。
年間平均気温は約30度ですが湿度が高く、昼間40度を超える夏場に行く場合は朝一番(サンライズ)、朝の光の中で厳粛な景観が眺められ、気温の面でも人気です。
11月でも30度ぐらいになることがしばしばあるそうなので、日焼け止めや帽子、サングラスなど日差し対策はもちろんこまめに水分補給をするようにしましょう。
なお、朝日が建物の真ん中に見えるのは春分と秋分の時期だけだそうです。

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投稿日:2016.08.12

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