アメリカの代表的な自然国立公園の1つグランドキャニオン。
地層が積み重なってできたその絶景は、日本にいても写真や動画で見ることができます。
しかし実際に目の当たりにすると、スケールの大きさは想像以上。
現地特有の気候や雰囲気とも相まって、強烈な感動を味わえるはずです。
グランドキャニオンは自然が生み出した造形美
広大な国土を持つアメリカにはたくさんの観光スポットがありますが、自然が好きな人ならユネスコ世界遺産にも登録されている一大自然遺産、グランドキャニオンに行かない手はありません。
アメリカだけでなく全世界から観光客が訪れるグランドキャニオンとは一体どんな場所なのでしょうか。
実際に旅に出る前に、基礎知識を予習しておきましょう。
グランドキャニオンは、アメリカ南西部、アリゾナ州のコロラド高原にある東西446kmにわたる広大な峡谷地帯です。
その大部分がグランドキャニオン国立公園として、国による保護の対象となっています。
公園内には至るところに絶景ポイントがありますが、地層がむき出しになった険しい峡谷が谷底や地平線の向こうまで続く様子は、誰もがしばし言葉をなくすほど壮大で迫力満点。
それらの類まれな地形は、何億年も続いた地殻変動や、コロラド川による侵食が繰り返された結果できたものだといわれています。
多様な植物、シマリスや鹿、エルクなどの愛らしい野生動物に出会えることも、この土地ならではの貴重な体験でしょう。
グランドキャニオンには大きく分けて、「サウスリム(南壁)」、「ノースリム(北壁)」、「グランドキャニオンウエスト」という3つのエリアがあります。
このうち、もっともアクセスしやすく、一般的に観光地として親しまれているのがサウスリムです。
高く突き出した岩崖の上にあり、日の出の景色で有名な「マーサーポイント」、美しい夕日が見られる「ヤバパイポイント」は、サウスリムを代表する絶景スポットです。
ロッジ(宿泊施設)やレストラン、列車の発着所、展望台、資料館、ギフトショップなどの設備が充実したグランドキャニオンビレッジでは、パノラマの眺望を楽しみながら、思い思いの楽しみ方でのんびり過ごすことができます。
グランドキャニオンへの行き方
グランドキャニオンにもっとも近い都市はラスベガスです。
グランドキャニオン観光を目的に日本からアメリカに旅行する場合、いったんラスベガスに渡り、グランドキャニオンに向かうコースが一般的です。
ラスベガスとグランドキャニオンを結ぶアクセス手段には陸路も空路もありますが、かつて主要幹線道路だったルート66を通る陸路でのアプローチがオススメ。
砂漠や小さな町など、アメリカ映画に出てくるような道中の景色が見ものです。
ラスベガスのホテルからグランドキャニオンの主要スポットまで車で送迎してくれる、ラスベガス発オプショナルツアーを申し込んでおくと便利でしょう。
カジノときらびやかなネオンで有名な大都会ラスベガスのすぐ近くにグランドキャニオンのような大自然があるのは意外ですが、街の景観と自然の絶景とを一度に楽しめるのも、この旅の醍醐味と言えます。
成田からラスベガスに行くには、ロサンゼルスやサンフランシスコで乗り継ぐ必要があります。フライト時間は合計で11時間から12時間ほど。ラスベガスからサウスリムまでは、車なら5時間ほどで到着します。
サウスリムの主要スポットを1日で観光するラスベガス発着の日帰りツアーもありますが、自然の豊かさを味わい尽くしたい人や、セドナ、アンテロープキャニオン、ホースシューベンドなどの人気スポットにも足を運びたい人は、グランドキャニオンで宿泊できるツアーを選んでもいいかもしれません。
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グランドキャニオンの天気はどんな感じ?
ラスベガスに砂漠の街というイメージがあるため、その近くにあるグランドキャニオンも年中暑く、雨も雪も降らないと思っている人が多いようです。
たしかにラスベガスは砂漠気候で、真夏には40度を超える日が少なくなく、雨はほとんど降りません。
しかしコロラド高原にあるグランドキャニオンは標高が高いため、気温はラスベガスより低く、季節やエリアによっては雨や雪も降ります。
グランドキャニオンの気温は昼と夜で差が激しい!
グランドキャニオン(サウスリム)は標高がかなり高いので、最高気温と最低気温に大きな差があります。
グランドキャニオン(サウスリム)の年間平均気温
【月】 | 【最高気温】 | 【最高気温】 |
---|---|---|
4月 | 16℃ | 0℃ |
5月 | 21℃ | 4℃ |
6月 | 27℃ | 8℃ |
7月 | 29℃ | 12℃ |
8月 | 28℃ | 12℃ |
9月 | 24℃ | 8℃ |
10月 | 18℃ | 2℃ |
11月 | 11℃ | -3℃ |
12月 | 6℃ | -7℃ |
1月 | 5℃ | -8℃ |
2月 | 7℃ | -6℃ |
3月 | 1℃ | -4℃ |
グランドキャニオンの季節毎におすすめの服装は?
サウスリムは、月平均気温は真夏でも20度前後、真冬はマイナス1度ほどです。
ノースリムではさらに気温が低くなります。
ただ、昼夜の気温差も激しいので、夏は半袖と長袖のはおりものを、冬はダウンジャケットにニットのセーターに手袋や帽子など、防寒用の衣類を必ず持参しましょう。
春(4月、5月頃)
春のグランドキャニオンは新緑の季節。
日中は薄手の長袖や半袖にカーディガンやパーカなどの羽織り物でも過ごしやすいです。
ただ、夜になると0℃近くなる場合も。宿泊するなど、夜も滞在する場合はジャンパーやジャケットなどを持っていきましょう。
夏(6月、7月、8月頃)
夏は野生動物をたくさん見ることのできる季節。
日中は暑く、30℃を超えることも!
また標高が高い場所は日中の日差しが強くなるため、日焼け止め、サングラス、つばのある帽子などの日焼け対策も必要です。
秋(9月、10月頃)
秋のグランドキャニオンは、夏を比べると、晴れていても日が傾いているため、陰影のくっきりした岩肌を美しい季節です。
場所によっては紅葉も見られるかもしれません。
暑すぎず寒くなりすぎず、年間を通して、一日中過ごしやすい季節と言えるかも。
春と同様に、薄手の上着を持って行くことをおすすめします。
冬(11月、12月、1月、2月、3月頃)
冬は空気が澄み切っていて、遠くまで見渡せ、雪景色がとても美しい季節です。
冬はとても寒く、日中でも氷点下になる場合も。
ダウンやコード、手袋など、防寒着を忘れずに持っていきましょう。
靴はどんな感じがいいの?
もちろん足元はスニーカーやトレッキングシューズで。
行き先によっては足場がかなり悪いこともあるので、アクティブにいろいろな場所を見て回りたい人はトレッキングシューズがベターです。
準備をしっかりして、グランドキャニオンを楽しもう
日本と同様に四季の気温差が大きいグランドキャニオンでは、春は新緑、夏は抜けるような青空、秋は陰影のくっきりした岩肌、冬は雪景色……と四季折々の風景が広がります。
雄大な赤茶色の渓谷と見たことのない動植物が織りなす風景は、この地方特有のカラッと乾いた空気とともに、いつまでも記憶に刻まれることでしょう。
ノースリムは、冬場は積雪のため閉園しますが、サウスリムは年間を通して開園しています。
春夏秋冬それぞれに特徴と魅力があるので、スケジュールを調整して、ベストなシーズンを選んで行くといいでしょう。
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