別名:カナダ誕生の地
砂浜に立つ白い灯台と赤い岸壁、赤土の道や緑色の丘にぽつりぽつりと並ぶ牧歌的な家。
そんな美しい風景が広がるこの島は、1798年に英ビクトリア女王の父プリンスエドワードにちなみ「プリンスエドワード島」と名付けられました。
細長く弧を描いた島の形から、先住民のミックマック族はこの島を「アベグウェイト(波間に浮かぶゆりかごの島)」と呼んでいたそうです。
山がなく平坦な地形が続く島は「セントローレンス湾の庭園」とも言われ、季節の花々が美しく咲き乱れる美しい田舎の風景を楽しむことができます。
愛媛県と同じぐらいの面積があるプリンスエドワード島ですが、島民はわずか14万人ほど。
島ひとつでプリンセスエドワード州として成立しており、州都シャーロットタウンにある「プロヴィンスハウス」でカナダ連邦の発足と独立に向けての会議が行われたため「カナダ誕生の地」とも呼ばれています。
市内には、毎年ミュージカル「赤毛のアン」が上演される美術館「コンフェデレーションセンター」や「ダンスタンスバシリカ教会」、「グレートジョージホテル」などが並ぶ歴史美観地区があり、1日あれば十分に観光できます。
初期入植者たちが上陸した「ファウンダースホール」は、現在観光案内所として利用されているので、ここで地図を手に入れて街中を散策してみるといいかもしれません。
また、海に囲まれた島だけにシーフードの美味しさもピカイチ。
ロブスターやオイスター、ムール貝など、さまざまな魚介類に舌鼓を打つことができます。
ジャガイモや野菜、また酪農が盛んで乳製品の産地でもあります。
島の新鮮な食材を使ったレストランでの食事も楽しみのひとつです。
憧れ!「赤毛のアン」の舞台の家「グリーンゲイブルズ」
見どころの多いプリンスエドワード島ですが、一番人気はもちろん「赤毛のアン」ゆかりの地を巡る旅。
島の北部にある小さな村「キャベンディッシュ」は作中に登場する架空の街「アヴォンリー」のモデルとされ、徒歩圏内に「赤毛のアン」ゆかりの史跡が数多く点在していることから観光の中心となっています。
「赤毛のアン」の物語の舞台であり、原書名でもある「グリーンゲイブルズ(緑の切妻屋根)」は必ず訪れておきたい場所のひとつ。
この家は実際にモンゴメリの従兄弟が暮らしていたもので、2階にアンやマリラの部屋などが用意されており、多くのファンを感動させています。
また、物語に登場する「銀の森屋敷」のモデルで、モンゴメリの叔母が暮らした家は「グリーンゲイブルズ博物館」になっており、「赤毛のアン」が描かれた時代の生活を垣間見ることができます。
出版当時と同じカバーの「赤毛のアン」原書などを購入することも可能です。
そのほか、キャベンディッシュ近郊には「キャベンディッシュ合同教会」、「モンゴメリの墓地」、「グリーンゲイブルズ郵便局」、「恋人の小径とお化けの森」など数多い「赤毛のアン」関係の史跡があります。
夏季シーズンには「赤毛のアン」が書かれた当時の街並みを再現したテーマパーク「アヴォンリービレッジ」がオープンするので是非訪れてみては。
野外劇などのイベントが行われるほか、チョコレート店やギフトショップも開かれており、お土産にぴったりです。
ベストシーズンをチェック!プリンスエドワード島
キャベンディッシュの観光シーズンは5月から10月頃まで。
これ以外の時期は、施設のほとんどが閉まってしまうため注意が必要です。
プリンスエドワード島を存分に楽しみたいなら、カナダ国内でも特にシャーロットタウンもしくはキャベンディッシュのホテルに滞在するのがおすすめです。
プリンスエドワード島への行き方
日本からプリンスエドワード島へは、エアカナダを利用してカナダ最大の都市トロントで乗り継ぐことが一般的です。
成田空港または羽田空港からトロント・ピアソン国際空港まで約12時間~13時間、プリンスエドワード島にあるシャーロットタウン空港まで約2時間~2時間半の道のりです。
島の中には公共の交通がほとんどないため、レンタカーや徒歩での移動となります。
空港からシャーロットタウンのホテルが並ぶ場所までは車で12分程度と近く、シャーロットタウンからキャベンディッシュまでは車で約30分程度です。
より深く楽しむためには日本語ガイド付きで「赤毛のアン」の史跡などを巡ってくれるオプショナルツアーに申し込むといいでしょう。
モンゴメリは「赤毛のアン」の中でプリンスエドワード島のさまざまな場所を登場させています。
その足跡を辿れば、美しい海やビーチ、広々とした田園風景、街並みなど島の美しさに必ず出会えるはず。
カナダに旅行する際は是非、プリンスエドワード島にも宿泊し、赤毛のアンの気分を味わってみませんか?
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