ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団とは?
オーストリアの首都、ウィーンは、ベートーヴェンやモーツァルトなど数々の音楽家が活躍し、今も「音楽の都」として世界中から音楽家が集まる聖地です。
そんなウィーンを本拠地に活動しているのが、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団です。
楽団の創立は1842年で、団員は約120人。
レパートリー的には、モーツァルトやベートーヴェン、シューベルト、ブラームスといった、ウィーンとの関係の深い、地元オーストリアやドイツ系の作曲家をメインに演奏しています。
そんなウィーン・フィルハーモニー管弦楽団が、毎年の元旦にウィーン楽友協会で行なう演奏が、「ニューイヤーコンサート」です。
新年の始まりにふさわしい素晴らしい演奏が聴けるとあって、世界的に人気のコンサート。
例年、世界90カ国で生中継され、華やかなコンサートの様子が世界各国で同時に楽しまれています。
ニューイヤーコンサートのチケット入手方法
ウィーンフィルハーモニーの年末年始のコンサートは3種類あります。
・ジルヴェスターコンサート(2024年12月31日19時30分開演)
・ニューイヤーコンサート(2025年1月1日11時15分)
の3種類です。
チケットの入手方法は、2種類あります。
・旅行会社が確保したチケットやツアーを利用する
公式サイトでの「抽選」への申し込み
入手方法1つ目は、公式サイトでの「抽選」への申し込みです。
2024年2月1日から2月29日までの間に先述の3種類のコンサートチケットの「抽選」への申し込みが公式サイトで出来るようになります。
3つのコンサート、それぞれにつき1回限り申し込むことができます。
その中でもニューイヤーコンサートはわずか2枚までしか「抽選」への申し込みができません。
他2つのコンサートは、上限4枚まで申し込みができます。
チケットの値段は座席により、35ユーロから1,200ユーロ。(2024年1月23現在)
抽選の結果については、3月に申込者各個人へメールでの連絡となります。
ウィーン・フィルハーモニー 公式サイト
旅行会社が確保したチケットやツアーを利用する方法
ウィーンフィルのニューイヤーコンサートは、世界から抽選の申し込みがある大変希少なチケットなので、個人で入手することはほぼ不可能と言われています。
そのため、2つ目の方法、旅行会社が確保したチケットやツアーを利用する方法が観光客にとっては一般的です。
お値段はプラチナチケット価格ですが、購入が「確約」できるということはすごいことなのです。
▼HIS音楽鑑賞デスク(チケットのご案内など)
予習で何倍も楽しめるウィーンフィルニューイヤーコンサート
ウィーンフィルのニューイヤーコンサートに趣く場合、クラシックにあまり詳しくない人は、予習をしておきましょう。
とはいえ、ウィーンフィル、ニューイヤーコンサートの演奏曲を予測することは、大変困難です。
しかも、前年のコンサートと同じ曲を演奏することは、まずありません。
ただし、演奏曲はヨハン・シュトラウス1世と2世によるポルカやワルツ、オペレッタが多いので、前年の曲を聴き込んでおけば、同じ曲ではないにしろ、雰囲気はつかめます。
まずは、そこから入っていきましょう。
- 【主要公演情報】
- HIS音楽鑑賞デスク公式サイト
コンサートは開演時間が午前11時15分、終演は午後1時45分の2時間30分。
第1部と第2部の二部構成になっており、最後にアンコール3曲があります。
アンコールでは2曲目に「美しく青きドナウ」、そしてオーラスに「ラデツキー行進曲」を演奏することが伝統となっています。 この2曲だけは、予習でしっかり聴き込んでおきましょう。
「美しく青きドナウ」では、演奏が始まると聴衆から拍手が起こり、いったん演奏を中断し、指揮者と団員が新年のあいさつをするのが恒例になっています。
ホール全体が一体感に包まれ、大きな感動とともに幕が閉じます。
これまで演奏されたクラシック名曲は?
ウィーンフィルのニューイヤーコンサートで、過去に演奏された楽曲やコンサートの模様を紹介しましょう。
最初は無理に真剣に聴き込むより、まずはBGMとして、普段の暮らしの中でクラシックを流してみるのがよいかもしれません。
YouTubeの動画には、ウィーンフィルのニューイヤーコンサートに関するさまざまな映像がアップされていますが、下調べにチェックするならこの2本をおすすめします。
2002年ウィーンフィル・ニューイヤーコンサート(指揮:小澤征爾)
世界的な日本人指揮者、小澤征爾がニューイヤーコンサートの指揮者を務めた時の演奏が収録されています。
映像自体は古いですが、柔らかなウィーンウィーンフィルハーモニーの演奏スタイルがよく分かります。
『カーニバルの使者』『ラデツキー行進曲』など、名曲どころを押さえています。
2013年ウィーンフィル・ニューイヤーコンサート
(指揮:フランツ・ヴェルザー=メスト)
演奏はもちろん、ニューイヤーコンサートの会場となる楽友会館のおごそかな雰囲気がよく分かる映像です。
一流の演奏力はもちろんのこと、ミュージックビデオのようなダンス映像のカットインや、思わずクスッとするユーモア溢れる演出など、全編を通して見どころいっぱい。
これさえ知っていれば怖くない!クラシックコンサートのマナー
クラシックのコンサートに足を運ぶには、やはり身だしなみやマナーもキチンとしておかなければいけません。
ましてや、新年のスタートを飾るウィーンフィルのニューイヤーコンサートは、ひときわ伝統と格式を感じさせるビッグイベントです。
この特別なコンサートでは、正装というルールがあり、日本人の女性には和服をお召しになっている方も。
もちろん洋装でも大丈夫ですが、いずれにしても、場にふさわしい派手すぎない上品なフォーマルドレスで臨みましょう。
演奏中のマナーは、いたって常識的なものです。
・貧乏ゆすり、演奏中の隣の人とのひそひそ話、居眠りなども慎みましょう。
・携帯やスマホの電源は切っておくのもお忘れなく(写メはもってのほか!)。
・拍手の際に音が鳴りそうな装飾品にも注意しましょう。
当たり前のマナーを当たり前に守っていれば、ウィーンフィルのニューイヤーコンサートでも、何も怖くありません!
音楽の都ウィーン観光はココがオススメ!
ウィーンフィルのニューイヤーコンサートを満喫したら、ウィーン観光にも目を向けたいものです。数々の音楽家が活躍した「音楽の都」ウィーンは、帝政ローマ帝国時代から続く、歴史と文化の薫る一大観光スポット。
ウィーンのホテルに宿泊して、じっくりと古都散策を楽しみましょう。
ウィーン観光の目玉は、世界遺産「ウィーン歴史地区」です。
歩けば1時間半ほどのこのエリアに、ウィーン観光のコアな魅力が凝縮されています。
「シュテファン大聖堂」は、ウィーンで繁栄と衰退の歴史を歩んだハプスブルク家の墓所。
ウィーンの代表的なゴシック建造物として知られています。
この大聖堂には4つの塔があり、それぞれの塔から眺めるウィーン市街地は絶景といっていいでしょう。
かつてハプスブルク皇帝の居城だった「ホーフブルク王宮」もまた、ハプスブルク家の栄華を物語る荘厳な建造物。
現在の王宮には、オーストリア大統領府や国際会議場、礼拝堂などがあり、新王宮には世界博物館や美術史美術博物館分室などが入っています。
歩き疲れたら、館内に設置されたカフェで優雅なティータイムを過ごしましょう。
旧市街の外のエリアにも観光スポットはたくさんあります。
旧市街を囲むように走る黄色い市電の「リングトラム」に乗車すれば、旧市街の外にある市庁舎やブルク劇場、国会議事堂といったスポットを網羅できます。
ウィーン周遊のオプショナルツアーは旅行会社が多数企画していて、日本語ガイドがつくツアーもあります。
音楽に愛される町、ウィーン旅行ツアー
モーツァルトの故郷ザルツブルクにも、ひと足のばして
せっかくウィーンまで来たのなら、モーツァルトの故郷、ザルツブルクにも足を延ばしてみてはいかがでしょう。クラシカルな町並みに、ザルツァッハ川が流れ、背景にアルプスの山々を望む景観は、自然と歴史が調和した素晴らしいロケーション。
古くから塩の交易で経済的に繁栄したザルツブルクには、その栄華を物語る歴史的な建造物が多く残されているのです。
中でも、ザルツァッハ川の左岸にある「歴史地区」は、世界遺産に登録されているヒストリカルなエリア。
ザルツブルク大聖堂やホーエンザルツブルク城など、歴史地区には見るべき場所がたくさん存在しています。
中でも、有名なのは世界中の音楽ファンが巡礼に訪れる「モーツァルトハウス」。
その名の通り、モーツァルト生誕の家で、現在ではミュージアムとなっています。
なおザルツブルグへは、ウィーンからオプショナルツアーを利用するのが便利です。
ザルツブルグと、映画「サウンド・オブ・ミュージック」の舞台になったザルツカンマーグートを鉄道で巡る日帰りツアーなどが人気です。
ウィーンの美味しいものもチェックしよう!
ウィーンの歴史と文化を満喫したら、あとはお腹をゆっくり満たしましょう。
ウィーンは世界で唯一、(国名ではなく)都市の名前で呼ばれる独自の料理ジャンルを築いた町。
王朝時代、地方の料理がウィーンに集まり、洗練されて現在のウィーン料理に発展したといわれています。
ウィーン伝統の庶民的なレストランは「バイスル」と呼ばれ、パン粉を付けて焼いた仔牛のカツレツの「ウィーナーシュニッツェル」や、スパイスなどで味付けしてボイルした牛肉料理の「ターフェルシュピッツ」などが名物料理となっています。
こうした格調高いウィーン料理には、ウィーン市内で醸造されるワインがよくマッチします。
日本からウィーンへのアクセスは?
ANAのウィーン行きの直行便(羽田ーウィーン間)が2024年8月より週3便(往復共に)運航を開始しています。
また、直行便以外にも日本の成田・羽田、関空、中部国際空港からは、ドイツ・フランクフルトを経由してウィーンに行くルートや、トルコ・イスタンブールを経由するルートなどが利用されています。
「ウィーンフィルのニューイヤーコンサートを、一度でいいから生で聴きたい!」という人は日本でも増えています。
チケットは限られた数しかないので、なるべく早く申し込みましょう!
※掲載画像にはイメージ画像が含まれています。
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