ニュージーランドの「ミルフォードトラック」は世界で最も美しい散歩道と言われ、非常に人気の高いトレッキングコースです。
絶景を堪能できることはもちろん、コマドリやケア、ウェカ、ファンテイル、インコなど、固有種の野鳥を間近に観察することができます。
ニュージーランドの国鳥キーウィを見かけるチャンスもあるかもしれません。
深い湖やひっそりとしたフィヨルド、豊かな森林、花崗岩がむき出しになった険しい峡谷など、フィヨルドランド特有の風景を形成するすべてを存分に体感することができます。
ミルフォードトラックとは?
そもそも「ミルフォードトラック」って何?と思う方もいるでしょう。まずはざっくりと説明を。
ニュージーランドには4つの国立公園(マウントスパイアリング、アオラキ/マウントクック、ウエストランド、フィヨルドランド)からなる「テ・ワヒポウナム」という世界遺産があります。
そのうちの一つ「フィヨルドランド」の中にある遊歩道が「ミルフォードトラック」と呼ばれているのです。
およそ100年前、詩人ブランシュ・ボーガンがその景色の美しさから“世界一の散歩道”と評したことでも知られ、今やニュージーランドの数多あるトレッキングルートの中でも最も有名なコースと言ってもいいほどです。
自然を守るために入山管理は厳格に行われており、日本からのツアー、もしくは現地からのツアーに参加してトレッキングを行うのが一般的です。
旅のスケジュールはどんな感じ?
今回は実際にこちらのツアー行程を辿ってみましょう。
歩行距離は4日間でなんと約54km!しっかりとした準備が必要な中級者向けコースです。
7泊9日のツアーで、中4日間はトレッキングをしながら途中のロッジに宿泊します。
文字通り”泊まり歩く”といったところでしょうか。
日本から空路ニュージーランド・クイーンズタウンの街に到着した日は、観光案内書にて注意事項などの説明を受け、翌日のトレッキング出発に向けて準備をします。
👇準備編はこちら!
初日に泊まるクイーンズタウンのホテルには4泊のトレッキング後、再び戻ってきますのでスーツケースやトレッキングに不要なものや大きな荷物は預かってもらえます。
いよいよ出発!まずは足慣らし【トレッキング初日】
ツアー参加者、ガイドと顔合わせ
前日に説明を受けた観光案内所に集合し、ガイドや参加者たちとご対面。名札をつけ挨拶などします。
基本的に1グループの参加者は50名以下で、ガイドは4~5人付きます。
グループでのトレッキングということで、自分のペースで歩けるかどうか心配な方もいるかもしれませんがそこは大丈夫。
ミルフォードトラックのツアーは、全員一緒に行動するわけではありません。
先頭と最後尾に必ずガイドが一人ずつ付き、その間を自分のペースで歩くようなイメージです。
スタート地点から歩きだす際に皆で集合して写真を撮る、ということもなく、各々のペースでゆるっとスタートしていきます。
皆で準備体操をすることもないので、ストレッチは各自行いましょう。
ガイドからのアナウンスも「ロッジに何時頃に着くように歩いてくださいね」という程度です。
日本のガイド付きトレッキングや山登りを経験した方からすると「ほっておかれてちょっと心配」と思うこともあるかもしれませんが、危険個所にはガイドが立っていたり、ガイド同士でその日の状況や参加者についての情報共有はされているため、安全管理の面ではしっかりとサポートしています。
バスとフェリーで出発地点へ
全員で大型バスに乗って、まずはテアナウという街に向かいます。
車窓からは早速ニュージーランドらしい景色が。
途中、ランチ休憩、トイレ休憩をはさみ、テアナウのフェリー乗り場に到着。
フェリーチケットはバスに乗る際に渡されるので、無くさないように。
ここからは1時間程度船に乗り、いよいよミルフォードトラックのスタート地点に向かいます。
船上からの景色は早速ニュージーランド100%!
初日は足慣らしでロッジまで
ミルフォードトラックのトレイルヘッド(スタート地点)に到着。
このように「Milford Track」と書かれた看板があるので、出発前に記念撮影をどうぞ。
この日はロッジまでの1.6km、約20~30分程度のウォーキング。翌日からの本格的トレッキングに備えて足慣らしです。
午後3時半にはロッジに到着。
ロッジの中を大公開!設備は?
今回のツアーではそれぞれ違ったロッジに4泊します。
ロッジは2階建てが多く、多少の差はあれど基本的に清潔に保たれています。
気になるロッジの中を紹介しましょう!
寝室
まず寝室はだいたいこのような感じです。
シェアタイプの部屋は2段ベッドが2つの4人部屋。
学生寮っぽくもありますが、清潔で落ち着ける雰囲気です。
この他、個室を利用するプランもあります。
食堂・ラウンジ
食堂もまるで街のレストランのように広々ときれいです。
食事も内装同様レストランさながら。
サラダ、メイン、デザートとなかなか豪華な食事。
ロッジでの夕食は基本的にこのクオリティなので安心。
ディナーの時間が楽しみになるほどです。
だいたいのロッジにはレストランの他にラウンジがありますので、食後に飲みながらおしゃべりしたりとリラックスできます。
初日は自己紹介があるため、積極的に話しかけて別の参加者と仲良くなればより楽しい旅になるでしょう。
水回り
温水の出るシャワーは男女共同で6ブースほどあり、シャンプー、ボディーソープは完備されています。
洗顔やメイク落としはないので各自持参を。
ドリンクコーナーがあるので、お湯や水、ドリンクも自由に。
ポットに入れてトレッキングに持っていくこともできます。
洗濯は手洗い。このように布を絞る機械に通した後は、乾燥室に干します。
夕方ロッジに到着してすぐに洗濯をすれば、夕食後には8割程度乾いています。
トイレは基本的に水洗トイレ。
トレッキング途中の休憩ロッジには一部汲み取り式トイレもありますがきれいに保たれています。
夜10時には完全消灯なので、トイレに行く際などのライトは各自用意しないといけません。
充電もできなくなるので気を付けて。(電源が全て落ちます)
従来の「山小屋」のイメージとは違い、かなりきれいで豪華なロッジなので、安心して泊まることができるかと思います。
トレッキングの本番スタート!【2~4日目】
今日から3日間は1日6~7時間は歩く、本格的なトレッキングです。
しっかりと準備して楽しんで歩きましょう。
朝はランチ作りから
朝食はビュッフェスタイル。パンやヨーグルト、オートミール、卵、ベーコン、フルーツなど。
夕食同様山の中のロッジとは思えないメニューが並びます。
そしてこの時にランチも自分で用意します。
朝食会場に置いてあるパンや野菜、ハムなどをサンドイッチにしてラップにくるんでトレッキングに持っていくのです。
米が並ぶこともあります。
これが自分のエネルギーになるかと思うと、アウトドアな気分が高まってきました。
準備できた人から出発
朝食作り→荷物の準備→準備が出来た人から出発、の流れは毎日同じ。
8~9時の間(日によってはもっと早く)に各自自分のペースで出発します。
ゆっくりと自分のペースで歩きたい方はなるべく早めにロッジを出るように心掛けるといいでしょう。
しばらくは平坦。朝の澄んだ空気とも相まって気持ちよくスタート。
山道だけでなくこのように開けた場所もあるので、各々休憩をします。
もちろん途中には立ち寄り休憩ができるトイレ付きのロッジもあるので、暖かいものを飲んだり、足のマッサージをしながらしっかりと休憩しましょう。
なにせ1日15~20kmは歩くため、休憩をきちんととることは非常に大切です。
お昼には、各自作ったサンドイッチを食べながらロッジで休憩。
エネルギーを補給して再度歩き始めます。
トレッキング途中にある休憩ロッジ。
このような澄んだ清流も。
危険な場所は慎重に
アバランチ(土砂崩れ・雪崩)の危険がある時期には、上の写真のように行けない場所もあります。
また、「この区間は立ち止まらずに歩いてください」というような看板が所々立っていることもあります。
このような場所には大抵ガイドがいて注意を促すのでご安心を。
平坦な道が続くかと思いきや、このような上りも出てきます。
3日目には峠越えもあり、歩きにくい場所も出てきます。疲れが出てくると転倒の恐れもあるので、無理せずゆっくりと歩きましょう。
このようにストックを利用している方も多いです。
3~4日目で疲れが出てきた時に使うと非常に楽なのでおすすめ。
ロッジに到着後は基本的に自由
毎日午後3時~4時にはロッジに到着。
3日目に宿泊するロッジの近くには、ニュージーランドで最も落差があるという滝があるので、希望者は自由に行くことができます。
ただし暗くなると危険なので遅くとも夕方4時半までにはロッジを出発するようにと、ガイドからの指示があります。
滝に行く場合はレインウェアも忘れずに。
そして夕食。
メインディッシュは毎回3種類ほどからチョイスできるので、写真のようにベジタリアンメニューを選ぶこともできます。
バーにはニュージーランド産のワインが用意されているのも嬉しい限り。
翌日にトレッキングを控えている日は控えめに。
最終日はミルフォードトラック50km以上を歩ききった仲間たちと存分に乾杯しましょう。
トレッキング最終日のロッジは豪華
ちなみに最終日のロッジは最も豪華。
各部屋にバス・トイレが完備され、共同で使える洗濯機や乾燥機があるのも嬉しい。
最終日は食事前に最後のブリーフィングを行い、ガイド含め皆でねぎらいます。
最後はクルーズ
ミルフォードトラックとお別れの日。この日もやっぱりランチ作りからスタートしますが、今日はトレッキングはしません。
ミルフォード・サウンドクルーズです。
1時間半ほどのクルーズを楽しんだ後はバスでクイーンズタウンまで戻り、初日に泊まったホテルに再びチェックイン。
その日はゆっくりし、今回のツアーでは翌日にオークランドへ飛び、さらに1泊。
この時にオークランド市内観光を楽しんでもいいでしょう。
まとめ
海外でのトレッキングに不安がある方もいるかもしれません。
でも、こちらのツアーは10人に1人程度の割合でガイドがついていますし、注意事項などの案内書面も日本語で書かれています。
登山のような険しい道は少ないものの、雨が降ると足がつかってしまうこともあります。
しかしそんな体験をしてでも余りある素晴らしいニュージーランドの景色と出合えるからこそ人気の「ミルフォードトラック」。
日本のトレッキングとはまた違った体験が出来ることでしょう。
ロッジも清潔で快適ですから、初めての海外トレッキングに最適です。
世界遺産ミルフォードサウンドを眺めながらのトレッキングを存分に楽しんでください!
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