この記事を書いたひと
フリーランス・ジャーナリスト。東京で女性誌編集者として勤務後、ノルウェー、イギリス、スイスを経てまた東京に戻った後、現在は香港在住。
フィガロ・ジャポン、キャセイ・パシフィック航空「香港スタイル」のほか、日本のさまざまな媒体で、香港とマカオに関する執筆や編集、コーディネイトなどを手がけていらっしゃいます。
個人ブログは「香港ときどきマカオ」
マカオは世界遺産が風景に溶け込む街
マカオは大きく分けると、旧市街と老舗カジノホテル、世界遺産があるマカオ半島と、最新の巨大カジノリゾートが並ぶコタイ、コタイに隣接しつつ古い街並みも残るタイパ、のんびりとした郊外のコロアンに分かれています。
初めてのマカオへの旅行で、世界遺産をはじめさまざまな魅力を知りたいなら、マカオ半島から始めることをおすすめします。
まずは数世紀にわたり街の中心であり、マカオが誇る世界遺産、セナド広場へ向かいましょう。
石畳をたどって、世界遺産の教会、レストランやショップ、カフェ、お土産屋さんなどを冷やかしながら、マカオ随一の世界遺産「聖ポール天主堂跡」に向かいます。
かつては大規模な寺院だったものの、火災で焼失して、前壁だけが丘の上にそびえているという不思議な光景が広がります。
前壁の裏には階段があります(写真下)。
高所恐怖症でなければ、景色も良いのでぜひ昇ってみてください。
写真提供:甲斐美也子さん
また、聖ポール天主堂跡の西側には、聖ポールの姿がちらりと見える、ポルトガルのムードが漂う小径(写真下)があります。
写真提供:甲斐美也子さん
マカオの数ある世界遺産の中で、フォトスポットとして人気が高いのが、セナド広場の正面にあり、今も役所として使用されている民政総署です。
「アズレージョ」と呼ばれる白地に藍色の柄が入ったポルトガルのタイル(写真下)がふんだんにあしらわれています。
写真提供:甲斐美也子さん
世界遺産の街マカオで最古の教会、聖ローレンス教会
マカオの世界遺産を集中的に見たい方におすすめなのが、セナド広場から民政総署、複数の世界遺産が集まる聖オーガスチン広場を散策し、そこからマカオの南西の端にある媽閣廟(写真下)にたどり着くというコース。
さまざまな見所が点在しています。
美しい教会もいくつかラインナップされているマカオの世界遺産群。
その中で私のイチオシは、16世紀中頃に建立されたマカオ最古の教会と言われる聖ローレンス教会です。
写真提供:甲斐美也子さん
マカオの人の暮らしがうかがえる庶民的な古い街並みの中に優しく佇んでいます。
埋め立てが進む前は海が近く、船乗りの家族たちがこの教会の階段に座って、マカオに船が戻ってくるのを今か今かと待っていたそうです。
そんな言い伝えから順風万帆を祈る「風順堂」という中国名がついたとか。
現在の姿になったのは1846年。現在も地元の人たちに愛され、信者の人たちが慈しんで庭の世話をしています。
遺産と言うよりも「生きた教会」という形容がぴったりです。
撮影スポットたくさん! 道に迷うのも楽しい
マカオには、世界遺産ではない文化遺産にも、人気が高い観光地があります。
コロアンにある聖フランシスコ・ザビエル教会は、1928年創設の可愛らしい教会です。
ちなみに日本でもキリスト教を布教したザビエルは、マカオに足を踏み入れることは生涯なかったものの、没後に遺骨の一部がマカオに安置された途端に、台風の被害が激減したとか。
それ以来、マカオの守護神として愛されています。
写真提供:甲斐美也子さん
世界遺産をはじめマカオの魅力を知っていただくためにおすすめしたいアクティビティと言えば「道に迷うこと」。
セナド広場や聖ポール天主堂跡から脇道に入って、旧市街を散策してください。
マカオ半島以外では、タイパやコロアンもおすすめです。
道すがら、麻雀に興じる老人たちの様子を眺めたり、レトロなモザイクを施したアパートは、鳥かごのような鉄柵で囲まれていたり。異国情緒と懐かしさの両方を感じさせる日常の景色が続きます。
そして、そのすべてが最高の被写体。とにかくあちこちで味がある写真が撮れるので、時間を忘れてしまうかも。
自分だけのとっておきのスポットをぜひ見つけてください。
マカオは治安が良いのも大きなポイント。
もちろん、不安な人にはマカオのオプショナルツアーを利用して史跡巡りを楽しむのも手でしょう。
中国、ポルトガル料理をはじめ多彩な料理が楽しめる!
世界遺産の街マカオには、中国やポルトガルの料理、そしてポルトガル料理をベースにしつつ中国や東南アジアの影響も受けたマカオ料理など、B級グルメからファインダイニングまでさまざまなグルメがそろっています。
ほのぼのしたローカルな飲茶なら「龍華茶楼」がおすすめ。
昔ながらのスタイルで、積み重ねられた点心から食べたいものをテーブルに自分で運びます。
ゆったりと時間が止まったような緩やかさを楽しみながら、飲茶を味わいましょう。
写真提供:甲斐美也子さん
マカオで人気のポルトガル料理店では、「リトラル」が安心しておすすめできる一軒です。
間違いのない美味しさと、予約なしでもOKの入りやすさ、クラシックなインテリアで、立地も便利!
私がマカオで食べる定番は、ポルトガル名物の鱈の塩漬け「バカリャオ」を使ったコロッケ(写真下)、チョリソで出汁をとり、ケールやジャガイモを入れたスープのヴェルデ・カルダ。
アサリのレモン蒸し、ピリ辛のアフリカンチキンも外せません。
日本人の口に合い、胃も心も温まるはず。
写真提供:甲斐美也子さん
エンターテインメントも充実!
旅先では必ずスパでリラックスしたいという方も多いでしょう。
マカオの高級ホテルのスパは、ゴージャスな空間とセラピストの腕の良さが魅力。大人のムードを楽しみたい方には、「マンダリン オリエンタル マカオ」のスパで、夜のマカオタワーを眺めながらのトリートメントも素敵です。
写真提供:甲斐美也子さん
コタイ地区にある豪華カジノリゾートにも、実はカジノ以外にたくさんの楽しみがあるのです。
中でも必見なのが、ラスベガスで活躍する名匠フランコ・ドラゴーヌが手がけたショー「ザ・ハウス・オブ・ダンシング・ウォーター」。
下がプールになった特別ステージを駆使した、驚異的なアクロバットと幻想的な恋物語を同時に楽しめます。
写真提供:The House of Dancing Water
マカオのシンボルであるマカオタワーでのアクティビティも人気が高く、地上233メートルからのバンジージャンプが最も有名です。
それはちょっと怖すぎるという方には、タワーを一周するスカイウォークXがおすすめ!
私も家族で体験して、おっかなびっくりでしたが、たっぷり撮影してくれる写真も迫力満点で、忘れられない体験になりました。
写真提供:甲斐美也子さん
マカオの世界遺産が放つ威厳、さらにバラエティ豊かな魅力と楽しさ、感じていただけたでしょうか。
マカオへの旅、思い切り楽しんでくださいね。
※掲載画像にはイメージ画像が含まれています。
お店の情報はこちら
●飲茶が楽しめる:龍華茶楼
住所 | 3R. Norte do Mercado Alm. Lacerda, Macau |
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●ポルトガル料理のレストラン:リトラル
住所 | Rua do Almirate Sergio, 261-A, r/c, Macau |
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公式サイト | ホームページ(英語) |
●夜景を眺めながらスパを味わえる:マンダリン オリエンタル マカオ
住所 | Avenida Dr Sun Yat Sen, NAPE, Macau |
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公式サイト | ホームページ(日本語) |
●アクロバットかつ幻想的なショーが楽しめる:ザ・ハウス・オブ・ダンシング・ウォーター
住所 | Estrada Do Istmo, Cotai, Macau |
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公式サイト | ホームページ(日本語) |
●マカオタワーの人気アクティビティ:スカイウォークX
住所 | Largo da Torre de Macau, Macau |
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公式サイト | ホームページ(英語) |
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