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ニューヨークのブロードウェイって?
「ブロードウェイ」というのは、本来は通りの名前。碁盤の目のように規則正しく道が交差するマンハッタン中心部で、唯一やや斜めに南北を貫いている広い(=ブロード)通りを指していますが、そこに劇場が密集していることから、いつしか劇場街の代名詞となりました。
およそ40ある劇場のなかには、歌やダンスを伴わない台詞劇が上演されているところもありますが、英語が得意でない観光客にとってとっつきやすいのはやはりミュージカル。超一流の俳優たちによる歌とダンスや、大迫力の舞台装置はまさに、エンターテインメントの街ニューヨークのブロードウェイでしか味わえないもの。たとえ言葉が理解できなくても、きっと魅了されてしまうに違いありません。
初めて行くなら何を観るべき?
言葉が分からなくても十分楽しめるのがブロードウェイミュージカルではありますが、そうはいっても内容くらいは把握したいという方には、映画にもなっている作品がオススメ。ディズニーの『ライオンキング』や『アラジン』、アカデミー賞にも輝いた『シカゴ』などはほぼ映画通りのストーリーなので、DVDなどで予習しておけば問題なく理解できるはずです。
写真提供:町田麻子さん
もし日本でミュージカルを観たことがあれば、同じ作品を選ぶのも一つの手。『キャッツ』『オペラ座の怪人』『ウィキッド』などは日本各地で頻繁に上演されていますが、どれも元々は英語で書かれた作品ですから、原語で味わうというのはまた格別の体験です。
本当のオススメは新作!
これまでに挙げたのはどれも、長く上演されている定番ミュージカル。評判が悪ければすぐに閉幕に追い込まれるブロードウェイで、続いているのは良い作品である証です。でも実は、この街の最大の魅力は、常に最新の作品が生まれているところ。演劇好きが毎年のようにニューヨークに通ってブロードウェイ詣でをしてしまうのは、ここでしか観られない表現があるからなのです。
「これが俺たちの新しい表現だ!」と言わんばかりの熱が舞台から伝わってくる新作の醍醐味は、演劇好きだけの楽しみにしておくにはもったいないもの。とはいえ、開幕したばかりの最新作はまだ評価が定まっていないため、初めてのニューヨーク旅行にはふさわしくないかもしれません。そこで指標にしたいのが、演劇界のアカデミー賞と言われる「トニー賞」の結果です。
トニー賞受賞作にハズレなし
毎年6月に発表されるトニー賞で、「ミュージカル作品賞」を受賞した作品にハズレはありません。ニューヨークもブロードウェイも初めてだけど、せっかくなら新作が観てみたいと思ったなら、まずは直近のトニー賞受賞作を調べてみましょう。
2016年の受賞作『ハミルトン』は、アメリカ合衆国建国の父と言われるアレクサンダー・ハミルトンの生涯をラップで綴るという、なんとも斬新なミュージカル。アメリカで社会現象を起こすほどの人気を博しているだけに、チケットは半年先まで完売状態ですが、今のニューヨーク、今のブロードウェイを感じるには打ってつけな作品です。
写真提供:町田麻子さん
『ハミルトン』のチケットが取れなければ、受賞こそ逃したものの、いくつかの部門でノミネートを受けた『スクール・オブ・ロック』もオススメ。同名映画が原作なので、予習のしやすさという点でもバッチリの作品です。
チケットは確実に?それとも安く?
チケットの入手方法はいくつかありますが、最も確実かつ手数料もかからずお得なのは、お目当ての作品の劇場窓口に直接赴く方法。いつの公演の、いくらの席を、何枚か、という簡単な英語さえできれば問題なく購入できます。窓口で「むこう1週間全て完売」と言われてしまうほどの人気公演はそう多くありませんが、事前に押さえておきたければ、作品公式サイトなどからクレジットカードで購入を。手数料がかかりますが、こちらも簡単な英語が分かれば5分ほどで手続き完了です。
簡単な英語も不安という場合は、日本の旅行会社主催の現地オプショナルツアーを利用してみるのも手。HISのサイトからも、多くの人気公演のチケットを日本語で予約することが可能です。ただしこの場合、予約は日本にいる間にできますが、チケットの受け取りは現地カウンターとなるのでご注意を。営業時間内に受け取れるよう、日程と時間に余裕を持って観劇日を選びましょう。
確実さより安さを重視するなら、お目当てのチケットが出る保証はないため多少リスキーにはなりますが、「TKTS」に並ぶのが王道です。タイムズスクエアのど真ん中に位置する、真っ赤な看板と階段が目印のTKTSは、多くの作品の当日券が最大50%引きで購入できるディスカウントブース。連日多くの観光客が列をなす光景は、ブロードウェイの、そしてニューヨーク全体の象徴ともなっています。
快適な観劇ライフのために
ニューヨークで本場ブロードウェイのミュージカルを観るとなると、ドレスコードが気になる方もいるかもしれません。でもアメリカ人は、基本的にラフな服装を好むもの。思いっきりドレスアップするのも一つの楽しみ方ではありますが、ジーンズやサンダル姿でも特に浮くことはありません。
劇場に行くにあたって気を付けたいのは、服装よりも眠気のコントロール!そもそも時差がある上に、観光疲れもあってか、特に夜の公演ではうとうとしている日本人観光客をよく見かけます。周囲の観客を興ざめさせてしまっては申し訳ないので、できるだけ体調を整えてから向かいましょう。そのために重要になってくるのが、しっかり眠るためのホテル選びです。
ニューヨークのホテルは全体的に高く、特にタイムズスクエア付近となると目玉が飛び出るほど。日本なら高級旅館に泊まれるくらいの値段を出しても、窓のない狭い部屋に通されることがほとんどであることを念頭に、注意深く選ぶことをオススメします。快適なホテル滞在で、快適な観劇ライフをお楽しみください!
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