お話をうかがった方
2007年に日本でメジャーデビューし、2011年からミュンヘンに拠点を移して活動されているシンガー。これまでもバックパックを背負って世界中を巡ってきた、1人旅のエキスパートでもあります。女性の1人旅についてアドバイスをもらうには、これ以上の人はいません!
女性が独り歩きできる安全な都市ミュンヘン
── もともと日本で生まれ育ったNILOさんですが、これまでアメリカやヨーロッパだけでなく、女性にはハードルが高いと思われる中南米などへも1人旅してきました。その旅人の目線から、現在お住まいのミュンヘンがどのような街か教えてください。
NILOさん:
まずはとても治安がいいので、1人歩きがとてもしやすい街で、観光地では英語もよく通じます。海外旅行の初心者にはぴったりです。夜になってもどこでも安心して歩けるし、人々は観光客に親切で、親日家の方も多いです。女性には特に安心ですね。
クラシックな街並みは、いかにも「ヨーロッパに来たなぁ」という気持ちになるはずです。またコンパクトな街という点も特徴で、短い滞在日数でもかなりの観光地を回ることができます。最近はレンタサイクルもかなり盛んで、自転車で回るのもぴったりの広さです。
唯一気を付けることがあるとすれば、人が良く飲むところでは、自分も飲みすぎるのに注意すること。酔った席でのトラブルが時々あります。
またミュンヘン中央駅の周りだけは、近年の難民の問題などもありかなり多国籍な人々が行き来をしているので、身の回りのものにも注意して歩くといいと思います。
もともと物価の高い国であることもあって、悪意で多めにお金をとったりするぼったくりなどは少ないようです。その手の被害はほとんど聞いたことがありません。
ミュンヘングルメ
── なるほど。「女性も安心」という街は、海外旅行にぴったりですね。食やグルメに関してはどうですか?
NILOさん:
ミュンヘンは何といっても美味しい食事と、安くて種類がたくさんあるビールが魅力です。どこの町に行っても必ず地ビールがあり、中にはまったく輸出していないものも多く、その場所に行った人しか飲めない、というビールもたくさんあります。
お料理もすべて手作りの郷土料理です。豚肉のお料理が多いですが、どれも本当においしいです。あまり日本で食べられるものがないので、これは来た人ならではの楽しみです!
── 確かにドイツ料理、ミュンヘングルメというのは日本であまり馴染みがありません。ビールもそうですが、現地に行った人しか楽しめない食べ物や飲み物があるというのはやっぱり魅力的です。
── 女性にオススメのドイツ・ミュンヘングルメの味を楽しめるお店も教えてください。
シュバイネブラーテン
シュバイネブラーテンは、「日本といえば寿司」、というイメージと同様に「ミュンヘンといえばシュバイネブラーテン」というほど根付いている、南ドイツを代表する郷土料理です。
豚のロースを焼き、グレイビーソースのようなもので煮込むのですが、カリカリに揚げた脂がついています。バイエルンの郷土料理店=バイエリッシュレストランでは定番メニューで、「Fraun Hofer」という老舗店のものがオススメです。
バイスブルシュト
バイスブルシュトは、ドイツといえばこれ、と思っている方も多い白ソーセージです。塩辛くなく、柔らかい食感。お湯で温めて食べるソーセージで、日本人にとっては非常に食べやすいと思います。甘いマスタードをつけて、プレッツエルを付け合わせに、500mlのビールといただきます。本来は日曜日の伝統的な朝ごはんですが、最近は観光客に合わせて日曜の朝以外にもレストランやビアガーデンで食べられます。
ソーセージもパンも、朝の早い時間のほうが新鮮でおいしいため、朝食に食べるのがオススメ。提供しているお店は多いのですが、街中のヴィクトアリエンマルクト(マーケット)の中にあるお肉屋さんやビアガーデンで食べるといいと思います。
ドーサ
バイエルン地方のメイン食材は豚肉なので、数日滞在すると「肉疲れ」するという声もよく聞きます。しかし最近は地元でも若い世代を中心にベジタリアンが増えており、アジア料理もヘルシーということで注目されて人気です。
日本食のほかベトナム料理、タイ料理なども多いのですが、「DELI DOSA」というお店の「ドーサ」という南インド料理が絶品です。薄く焼いた皮の中に、野菜と茹でたジャガイモをつぶし、スパイスを混ぜ込んだものが包まれています。お好みでマンゴーチャツネを少しつけたりして食べます。
ミュンヘンにはチップの習慣があるので、スーパーやファストフード店以外では、端数をそのままのせて支払うと喜ばれます。
美術館巡り、鉄道旅。のんびり観光がミュンヘン流
── ミュンヘンや近郊で女性にオススメの観光スポットはどんなところがありますか?
彫刻美術館 提供:NILOさん
美術館巡り
ミュンヘンには物凄い数の美術館があって、美術館巡りが名物のひとつになっています。1週間かけて全美術館を回るミュンヘン発オプショナルツアーなどもあるほどです。
クリムト、ピカソ、シャガール、ゴッホなどの作品も鑑賞できます。あまり陽に当たらず、静かにゆっくり過ごせるところが女性向きかもしれません。現地の観光案内所に行けば、ツアーバスを利用することも可能です。
バイエルンチケットでバイエルン州周遊
1人28ユーロ、1人追加につき+5ユーロ(最大5名まで)で共有して使える、バイエルン州内を回れる鉄道の1日券「バイエルンチケット」が人気です!利用は朝9時からで、普通列車のみ乗車できます。
有名な「ノイシュバンシュタイン城」、アルプス山麓の方面、モーツァルトの生誕地で知られるオーストリアのザルツブルグまでも行くことができます。南ドイツでしか味わえない風景を車窓から楽しめます。
アルプス 提供:NILOさん
エングリッシャーガルテン
エングリッシャーガルテンは、都市型公園では世界最大規模の公園です。天気が良い日などはミュンヘン中の人が集まっているのでは?と思うほど人でいっぱいになります。乗馬をする人、芝生に寝転ぶ人、川を泳ぐ人、音楽を奏でる人などミュンヘンで暮らす人々の空気を感じられます。
公園内や周辺にはいくつもビアガーデンがあります。疲れたらそこでドイツビールやジュースなどを飲みながらくつろぐことができます。そして池ではボートに乗ることもできるので、水の上でのんびり過ごすこともできます。
夏は陽が長く、21時を過ぎてもまだ少し明るいほどなので、まさに時計を外して、時間を気にせず、本当にゆったりと休みながら、散歩をすることができます。
チャイニーズタワーのビアガーデン 提供:NILOさん
スパで思いっきりリフレッシュ
── 他にも、女性が行ってみるべきスポットなどはありますか?
NILOさん:
ミュンヘンでも近頃はネイルショップが盛んで、いろいろな国の人がネイルショップを構えています。ちょっと個性的なネイリングなどを楽しみたい方はのぞいてみてください。
もともとドイツはサウナ文化、スパ文化が盛んな国です。プールやサウナに入ったり、少々マニアックですがスパで丸一日過ごすウェルネスプランを作ったり、なんていう女性の旅もかなり楽しめるかと思います。
ミュンヘンでスパが盛んというのは、あまり知られていないのではないでしょうか?確かに女性には魅力的ですね。
── ミュンヘンのホテル選びですが、やはりダウンタウンのホテルに滞在するのがいいですか?
NILOさん:
ダウンタウンは確かに便利ですが、先ほどご説明したようにミュンヘン駅付近は若干治安に不安があります。交通機関が便利なので、ちょっと離れた場所でも大丈夫です。
例えばミュンヘン近郊のエルディングという町にある「テルメエルディング」は、ホテルに隣接するスパ施設です。サウナや温泉三昧の宿泊もできます。
ほかにもザルツブルグ近郊には、鉱山サウナや岩盤浴などが楽しめる絶景スポットがあります。
電車とレンタサイクルでミュンヘン散策
── ミュンヘンの公共交通機関はどのようなものがありますか?
NILOさん:
まず空港からは、ルフトハンザが運営している空港バスか、「S Bahn」と呼ばれる電車が便利です。いずれも乗り換えなしで、45分程度で市街地に出られます。
以前はチケットの買い方がわかりづらかったのですが、この頃は日本語表記も出てきたようで、だいぶわかりやすくなりました。海外からの旅行客は高い確率で利用します。
市内ではトラム、地下鉄、レンタサイクルが便利です。トラムと地下鉄は、券売機で1日券やグループチケットが買えます。
NILOさん:
レンタサイクルはスマホのアプリからも利用ができますが、マリエン広場にある観光案内所に行くとレンタル方法などを教えてもらえます。自転車は自転車専用道がきちんと整備されているので、ほかの自転車の流れに乗って走れば、特に問題ないでしょう。自転車での観光ツアーも人気です。
タクシーは道路で捕まえることもできます。近年はバイクタクシー(ベロタクシー)も増えました。
現地の情報をたくさん教えていただきました。NILOさん、ありがとうございました。魅力的で安全。世界の国々を旅したNILOさんが太鼓判を押すミュンヘンは、初めての海外旅行の行先としては、かなり魅力的な条件の揃った国ではないでしょうか?
ミュンヘンまでの直行便は羽田から出ており、約12時間のフライトです。
お店の情報はこちら
●ミュンヘンの郷土料理シュバイネブラーテンが美味しい店:Fraun Hofer
住所 | 80469 Munich Fraunhoferstr 9. |
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SNS |
●南インド料理「ドーサ」が美味しいお店:DELI DOSA
住所 | 80779 Munich Barer Straße 48 |
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公式サイト | ホームページ(ドイツ語) |
●エルディング(ミュンヘン近郊の町)にあるスパ:テルメエルディング
住所 | 85435 Erding Thermenallee 1-5 |
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公式サイト | ホームページ(ドイツ語) |