極東の観光都市ウラジオストク
ウラジオストクが位置するのはロシアの東端。札幌とほぼ同じ緯度で、日本海に面しています。シベリアの玄関口として昔から多くの人たちが行き交い、ロシアのほか、アジアやヨーロッパの要素も混ざり合い、独特の雰囲気を醸し出しています。
同じロシアでも大都会のモスクワやサンクトペテルブルグとは違い、のどかな田舎町のような印象も魅力のひとつでしょう。
観光都市ウラジオストクへの行き方は?
日本からロシアというと、もしかしたら遠いイメージがあるかもしれませんが、ウラジオストクは例外。実は東京・成田空港から直行便が毎日就航していて、フライト時間もたった2時間半。夏季限定で関西空港からも直行便が出ているほど、アクセス抜群です。
緩和されてもウラジオストクの観光にはビザが必要!
ウラジオストクが人気観光地として注目されたきっかけが観光ビザの緩和。通常ロシアへ渡航する際は、ロシア領事館へ行き、旅行確認書を提出して観光ビザを発行してもらう必要があります。
しかし、ウラジオストクのみの観光であれば、ウェブから申請する電子ビザでOK。ハバロフスクやモスクワなど他都市も巡る場合は従来の観光ビザが必要です。
ウラジオストク観光のおすすめシーズンは、快適な夏
ウラジオストクを訪れるなら湿度が低く、清々しくカラッとした夏がおすすめ。日照時間も長いので、一日たっぷりウラジオストクを観光できます。
もっとも暑い8月でも最高気温は25℃前後と過ごしやすいのですが、朝晩は涼しくなることもあるので長袖や羽織るものがあると安心です。
ウラジオストク観光するなら3泊がベスト
韓国や台湾と同じくらい日本に近いウラジオストクは、1泊2日間や2泊3日間の滞在も可能です。
通常、ヨーロッパを満足に旅するにはどうしても1週間前後を要するので、わずか2時間半のフライトは本当にヨーロッパに向かっている?と思わず疑ってしまいたくなるほど。
しかし、せっかくウラジオストクを観光するなら3泊ほど滞在した方が、のんびりとした町の雰囲気を十分に満喫できます。
というわけで、ここでは3泊4日のモデルコースをご紹介しましょう。
日本からウラジオストクに到着する飛行機は夕方着が多いので、まずはウラジオストクの観光名所が集まる市街へ。特急電車やミニバスで行く方法もありますが、頻繁に出ているわけではないので、タクシーや送迎車手配をを利用した方が時間の節約になります。
空港から中心地まで1時間半ほど。ホテルにチェックインし、夕食をすませて次の日に備えます。
- タクシー・送迎車手配
- 詳細はこちらから
2日目はウラジオストク市内観光を堪能
翌日は朝からウラジオストク市内を観光。コンパクトな町なので点在する観光名所も1日で巡ることができます。
麓からケーブルカーが出ている鷹の巣展望台からは、カラフルな町並みや寄り添うように広がる金角湾など、ウラジオストクの様子が見事に一望できます。
ロシアといえば広大な国土を横断するシベリア鉄道も有名です。その起点駅として知られるウラジオストク駅も観光でぜひ訪れたいところ。
首都モスクワまで6泊7日間もかかる道のりはどんなものか、車窓の風景はいったい何が見えるのか……。駅の案内板を見るだけでつい思いを馳せてしまうことでしょう。
教会は、ウラジオストクの重要な観光スポット
ヨーロッパの町中では、ゴシック様式やロマネスク様式のまっすぐに伸びた直線的な教会が多く見受けられますが、ロシアの教会は一味違います。
ロシア正教の教会は玉ねぎのような丸みの屋根が特徴です。それに外壁も黄色や青などカラフルで華やか。ウラジオストクを観光する際はアンドレイ教会やポクロフスキー聖堂にも立ち寄ってみましょう。
軍関連の名所も多い、ウラジオストクの観光地
いまでこそウラジオストクは人気観光地として知られていますが、実は軍港という役割から1992年まで外国人はおろかロシア人も出入りが制限されていた歴史があります。
市内にあるC56潜水艦博物館は太平洋戦争で使われた潜水艦がそのまま博物館として活用され、内部も見学可能。限られたスペースで生活をしていた当時の様子を伺うことができます。また市内には関連施設としてウラジオストク要塞博物館もあります。
ウラジオストク観光に来たなら、やっぱりバレエが観たい!
1日の終わりはぜひ優雅にバレエ鑑賞を。世界的に有名なサンクトペテルブルグにあるマリインスキー劇場の付属劇場がウラジオストクにあり、ガラス張りのスタイリッシュな外観が目を引きます。
ここでは連日公演が行われており、「白鳥の湖」「くるみ割り人形」「カルメン」 など馴染みある演目が多いのも嬉しいポイント。チケットはオンラインやウラジオストクのオプショナルツアーから購入可能です。
- ウラジオストクのオプショナルツアー
- 詳細はこちらから
3日目は住人に近い目線で町を堪能
前日にウラジオストクの観光スポットを巡って町の様子が分かってきたら、3日目は住人のように過ごしてみるのはいかがでしょうか。噴水通りとよばれるアドミラーラフォーキナー通りは両側にパステルカラーの建物が並び、中央にはシンボルになっている噴水が優雅に水をたたえています。
この通りは歩行者天国になっているので開放感もたっぷり。ウラジオストクを訪れる観光客だけでなく、地元の人たちもテラス席でカフェを飲んだり、散歩をしたりとのどかな時間が流れます。アドミラーラフォーキナー通りにはオシャレなカフェや雑貨店が多く、ここでショッピングを楽しむのもおすすめ。通りの先にはスポーツ湾が広がり、夏には日光浴や海水浴の光景も見られます。
ウラジオストクは観光だけでなく、豊かな自然も魅力。ウラジオストクの南に位置するルースキー島は海軍基地だった過去から反転、国際的な首脳会議の舞台にも選ばれるほど国際色豊かな土地になり、現在はリゾートエリアとしても人気が高まりました。
ウラジオストクから日帰りで訪れることができ、ビーチに森林など多彩な景観を楽しめます。
またウラジオストクとルースキー島を繋ぐ連絡橋は世界最長の斜張橋で、ウラジオストクの人気観光スポットのひとつ。全長3,100m、2本の橋脚の間は1,104m にも及び、遠くから眺めてもその壮大さが分かります。
4日目はおみやげを空港で駆け込み調達
ウラジオストクから日本へ向かう飛行機はお昼前後の出発が多く、最終日は空港への移動で終了となりがちです。しかし、空港内のショップには、マトリョーシカなどの定番みやげ以外に、冷凍カニやイクラ、キャビアなど新鮮な状態で買いたいおみやげも販売されているので、飛行機に乗り込む直前まで品物を吟味できます。
これを食べずに日本には帰れない! ロシアグルメ5選
散策しがいのある町、ウラジオストク。観光でお腹が空いたら、ロシアのグルメでエネルギー補給をしたいところ。
ボルシチ
ビーツを使ったスープ、ボルシチはロシア人家庭で欠かせない定番料理。ワインレッド色のスープの中にはお肉や野菜が煮込まれ、味付けもさまざまです。
ペリメニ
ペリメニはロシア風水餃子のこと。具には豚や牛のひき肉と玉ねぎなどの野菜を包んだものが主流で、スーパーでは冷凍のペリメニが売られているほどロシアでは身近な一品です。
ロシア全土で愛されている料理ですが、海に近いウラジオストクらしく魚介が入ったペリメニに出会えることも。
ピロシキ
ロシア料理といえばピロシキを思い浮かべる方も多いことでしょう。ピロシキと聞くとお肉と野菜が詰まったパンを想像しがちですが、実は種類が豊富。
魚が入っていたり、甘いスイーツ系だったりと、カフェやスーパーでは色々なピロシキが並んでいます。値段もお手頃なので、朝食や軽食で食べ比べてみるのもロシアらしい思い出になります。
ブリヌイ
ブリヌイと呼ばれるロシア風クレープは、トッピング次第でメニューは無限大。ジャムやハムは日本でも馴染みがありますが、ロシアではサーモンにいくら、ミートソースなど食事として頂くこともしばしば。春を祝うロシアの祭日では、ブリヌイが山積み状態になることも。
ビーフストロガノフ
サワークリームがたっぷり入ったビーフストロガノフは、本場ロシアで一度は食したいもの。付け合わせはマッシュポテトが主流で、濃厚なソースとの相性も抜群。クリーミーでジューシーな味は食べ応えもばっちりです。
ウラジオストクのおみやげって?
ウラジオストクの観光地が集まる中心部にはお土産屋さんが点在しています。ロシアらしいアイテムといえばマトリョーシカやウォッカが人気。他にもウラジオストク発プリモールスキーカンヂーチェルのチョコレートは包装紙がかわいく、ばらまき用に重宝されています。
魚介類が豊富なのでキャビアやカニ缶といったユニークなおみやげもおすすめ。ただし魚介類に関してはロシアから持ち出せる容量が決まっていますので、ご注意ください。
ウラジオストクの観光客におすすめホテルは?
ウラジオストクにあるホテルで初めて五つ星を獲得したロッテホテルは、サービス面はもちろんウラジオストクを観光する際のロケーションも便利です。中央広場やウラジオストク駅など主要な観光地を徒歩で巡ることができます。
ウラジオストク観光で準備しておくと安心なもの
ウラジオストクのコンセントは日本とは異なるので、アダプターのご準備を。空港の両替所や市内の銀行は閉まっている場合もあり、日本で事前に現地通貨のルーブルを両替しておくと安心です。そして坂が多いのもウラジオストクの特徴。観光スポットをめぐる際は、できれば履きなれたスニーカーで行きましょう。
港町や軍港として栄えてきたウラジオストク。湾からはしきりに船が出入りし、中心部へ繋がる橋にも車が往来し、まるで町全体が訪れる人たちを温かく迎え入れているようです。遠い異国だったロシアの印象も、ここに来るとより身近な存在に。いちばん近いヨーロッパ、ウラジオストクを観光してみませんか?
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