今、韓国ミュージカルが熱い!
韓国旅行といえば、ショッピング、グルメ、美容が目的…そんな印象をお持ちの方も多いかもしれない。
あるいは、K-POPアーティストや韓流アイドルのコンサート、韓流ドラマのロケ地巡りなどで韓国エンタメ目当てで訪問する人もいるだろう。
韓国旅行のさらなる楽しみ方として、今注目を集めているのが韓国ミュージカル。
実は、日本から韓国ミュージカルを見ることをメインの目的に韓国を訪れる人が年々増えている。
しかも滞在中は見られる限りの公演を観劇。
平日は夜公演、土日は昼夜公演が行われるのが通例なので、たとえば土日にソウルに宿泊し、4回観劇という人もざらにいるのだ。
韓国ミュージカルの何がそれほど魅力なのか? 人気の秘密をクローズアップしてみよう。
この記事を書いたひと
国内外のミュージカルシーンに精通する演劇ライターとして、雑誌やウェブメディア、公演パンフレットなどで執筆。
ラミン・カリムルー、レア・サロンガ、シンディ・ローパー、ハーヴェイ・ファイアスタインなど海外ミュージカルスター・クリエイターにも精力的に取材を続けている。
韓国ミュージカルの魅力は?
韓国ミュージカルというと、ノンバーバル作品を最初に思い浮かべる方もいるだろう。
ノンバーバルとは台詞がないパフォーマンスのこと。
ストーリーをダイナミックな身体表現で表す作品で、韓国語がわからない人でもまったく問題なく見られるとして韓国旅行初心者の方に人気がある。
『NANTA』、『JUMP』、『シェフ』などが有名だ。
ミュージカル「シェフ」 (ビバップの新しい名前)
- 2011年の初演を皮切りに、6年間多くの人に愛されてきた「ビバップ」が「シェフ」という公演名で新しくスタートします。 公演名の変更とともに音楽と振付を修正してミュージカル的な要素を加えました。また、場面のアップグレードを通してもっとダイナミックな公演に生まれ変わりました。いかなる特殊な効果音や録音ではなく、100%ライブで作られた非常に洗練されたビートボックスで料理を作る過程を躍動的なビーボーイングでふんだんなサウンドと華やかで視覚的な楽しさが加わった ミュージカル「シェフ」!韓国が誇る世界最高レベルのビーボーイングとビートボックスが混ざり合い、爆発的な舞台を披露します。
その他の「韓国ミュージカル ノンバーバル作品」
しかし、それだけではない。
むしろ最近は『エリザベート』『モーツァルト!』『レ・ミゼラブル』など日本でも人気のミュージカル作品やオリジナルの韓国ミュージカル作品が人気を呼んでいるのだ。
話題作が目白押しな韓国ミュージカル
韓国ミュージカルの魅力として最初に挙げられるのは、ラインナップの豊富さ。
たとえば2018年8月に上演されるのは欧米ライセンス作品の大作『ノートルダム・ド・パリ』『ロッキー・ホラー・ショー』『マディソン郡の橋』『シカゴ』、韓国発の『笑う男』『フランケンシュタイン』など。
また、小劇場作品としては日本でも上演された『パルレ(洗濯)』『あなたの初恋探します(キム・ジョンウク探し)』など。
どれを見ようか迷ってしまうほど、バラエティに富んだ作品が上演されているのだ。
また、2018年9月から『マチルダ』が開幕するが、これはロンドン発でブロードウェイでも上演された人気作品で、日本では未上演。
日本でまだ見られない作品がいち早く韓国で舞台上演される例も多い(たとえば、昨年日本で初上演された『ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~』の韓国初演は2010年)。
それに、最近は『フランケンシュタイン』『シャーロック・ホームズ』など韓国発のミュージカルが日本で上演される例も増えている。
『マリー・アントワネット』は、もともと日本で上演された作品だが、韓国での新演出版が2018年9月より日本でも上演される。
日本でこれから見られる作品を先取りできるというのも韓国ミュージカル観劇の楽しみの一つだろう。
音楽性豊かで、表現力に富む韓国ミュージカル
韓国ミュージカル最大の魅力は、その音楽性の豊かさ。
筆者が最初に韓国ミュージカルを見て圧倒されたのは、キャストの歌声だ。
アンサンブル出演者によるコーラスの厚みが際立ち、客席にうねりのように押し寄せる歌声の力が強い。
そのコーラスを上回る、主演者の歌声の見事さ。
ドラマを伝える歌声は、たとえ発している言葉の意味がわからなくても、一瞬にして物語世界に連れていってくれる。
「あの素晴らしい歌声が作り出す世界に身をゆだねたい……」そう思う人は多い。
さらに、韓国ミュージカルでは豪華絢爛な舞台美術や最先端の技術を駆使したプロジェクション・マッピングなど、視覚的にも大いに満足させられるのも見どころだ。
韓国エンタメ&ミュージカルの情報源は?
チケット前売り情報を知りたいなら、先に挙げたチケット販売サイト「インターパーク」のグローバル版サイトをチェックしよう。
ちなみにここでは韓国ミュージカルだけでなく、コンサートなど韓国エンタメの前売り情報も掲載されていて非常に便利。
韓国エンタメ&ミュージカルの情報源
また、日本語での韓国ミュージカル、韓国演劇情報専門サイトとしては「韓劇.com」がある。
こちらも可能ならチェックしておきたい。
いま注目の韓国ミュージカルは?
それでは、2018年9月以降に上演される作品で注目作をご紹介しよう。
※最新の上映スケジュール等は公式サイトなどで事前にお確かめください。
『笑う男』
7月に開幕し、9月からは上演劇場(ブルースクエア インターパークホール)を移して10月までロングランで上演される話題作。『レ・ミゼラブル』のヴィクトル・ユゴーの小説を原作として、『ジキル&ハイド』のフランク・ワイルドホーンが音楽を書き下ろした。
悲劇の宿命を負った青年の生きざまをドラマチックに描く作品。日本でも2019年、浦井健治主演での上演が決定している。
日本版を見る前に韓国舞台を先取りするのもいいだろう。
主演はパク・ヒョシン、パク・カンヒョン、スホ(EXO)のトリプルキャスト。
『ファントム』
『オペラ座の怪人』のファントムの知られざる物語を描いたミュージカルでモーリー・イェストン作詞・作曲。
11月から忠武アートセンター大劇場で上演され、人気を集め、たびたび再演されている。
日本では宝塚歌劇団や、大沢たかお、城田優がファントム役で主演した作品だ。
舞台では、ファントムや歌姫クリスティーヌの圧巻の歌声に陶酔し、ドラマチックな展開に胸かき乱される。
韓国ミュージカルならではの魅力が詰まった作品といってもいい。
『エリザベート』
オーストリア最後の皇后エリザベートの生涯と彼女をどこまでも追い求めるトート<死>を描く、ウィーン発のミュージカル。
日本では何度も上演されているが、韓国では壮大な世界観のもと、巨匠シルベスター・リーヴァイによる難曲を見事に表現して人気を集めている。
韓国ミュージカルの質の高さが実感できる作品といっていいだろう。11月からブルースクエア インターパークホールにて上演。
人気の韓国ミュージカルスターをチェック!【俳優編】
韓国ミュージカルに足しげく通う日本ファンがいるのも、素晴らしい魅力を持つミュージカルスターが存在しているから。
特に韓国ミュージカルはDVD化されることはほとんどないので、その演技を見たいと思ったら実際に韓国まで足を運ぶしかない。
韓国ミュージカルのスターたちが他国の俳優と違うのは、情熱。舞台が上演されている3時間の間に全精力を込め、その人生を生き切ろうという気迫がほとばしり、圧倒される。
彼らのライブな姿を体感できるのが、韓国で舞台観劇する魅力だ。
韓国舞台を代表するスターをご紹介しよう。
チョ・スンウは、ドラマ『馬医』などで韓国エンタメ界でも人気が高く、韓国ミュージカルでは強大なチケットパワーを誇る。
『ラ・マンチャの男』や『ドクトル・ジバゴ』など、映像で培った繊細かつ大胆な演技力と表現力豊かな歌声で演じて、喝采を受ける。
豊かな歌唱力を誇るホン・グァンホ。『ミス・サイゴン』トゥイ役で韓国人のロンドン・ウェストエンド出演第一号となった実力派。日本発のミュージカル『デスノート』では夜神月を演じた。
パク・ヒョシンはシンガーソングライターとしてデビューし数々のヒットを飛ばしている。
ミュージカルでは『エリザベート』のトート、『笑う男』のグウィンプレンなどを演じて透明感ある歌声を響かせ、繊細に心情を伝える演技で観客を魅了している。
そして、韓国ミュージカル一の立役者といえばキム・ジュンス(シア・ジュンス)。
韓国エンタメの世界ではJYJのメンバーとして活躍している。
ジュンスが初めて韓国ミュージカルに出演したのは『モーツァルト!』のヴォルフガング役。
ジュンスの登場は、韓国でミュージカルが飛躍的に発展した一因となった。
独特の存在感と説得力のある歌声、オリジナリティのある演技で『ドラキュラ』のドラキュラ、『デスノート』のLなどを好演した。
その他、東宝ミュージカル『レ・ミゼラブル』のジャン・バルジャン役を演じて深みのある歌声と演技で日本人ファンを魅了したヤン・ジュンモ、ブロードウェイで上演されたミュージカル『アリージャンス』のオリジナルキャストになった国際派俳優マイケル・リー。
『ファントム』のファントム役や『フランケンシュタイン』のアンリ/怪物役などノーブルな容姿と劇的な力を持つ歌声が印象的なパク・ウンテ、『ジーザス・クライスト・スーパースター』のユダ役や『デスノート』の夜神月など役によってまったくイメージが変わるカメレオン役者ハン・チサンなど、紹介したい韓国ミュージカルのスターは書き尽くせないほど。
この層の厚さが韓国ミュージカルの人気を作り上げているといっても過言ではない。
人気の韓国ミュージカルスターをチェック!【女優編】
女優では、『エリザベート』でエリザベートを演じ高い評価を得たオク・ジュヒョン。
『ルドルフ』の清純なマリー・ヴェッツェラから『レベッカ』の迫力あるダンヴァース夫人、『マタ・ハリ』で東洋の女スパイ、マタ・ハリまで、演じる役柄も幅広い。
さらに『ボディ・ガード』でホイットニー・ヒューストンの名曲の数々を熱唱し、実力を知らしめたチョン・ソナ。
『モーツァルト!』のコンスタンツェで見せた斬新な演技など、数々の韓国での名舞台が思い浮かぶ。
激しく心を揺さぶられる韓国ミュージカル。
ぜひ一度観劇して、お気に入りの作品やスターを見つけていただきたい。
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