グアムは、マリアナ諸島の一部をなす島で、アメリカ領土の地域です。人口は2013年現在で約16万人、面積は約550平方キロメートルの小さな島です。
日本から南東に約2400キロメートル離れたところに位置し、日本との時差は1時間程度あります。グアムに行く便は日本の主要都市9ヵ所から航空便が就航しており、3時間半程度で着くことができる身近な南国です。
アメリカの準州という位置づけで、完全に編入されてはいない地域です。島には島旗があり、広大な太平洋の青をベースに島の名所の1つである恋人岬、それにヤシの木やカヌーがあしらわれています。
日本からの観光客も非常に多く、島の収入の多くを日本人観光客が支えているとも言われています。そのような背景から、各観光地では日本語が通じる店も多くあります。過去には日本の植民地であった歴史もあり、一般の島民の方でも日本語が話せる方がおられます。
グアムにおける通貨は基本的に米国ドルですが、日本円が使える店も登場しています。ホテルも日系企業が経営するものがたくさんあり、日本人が旅行に出かけやすい地域の1つです。
島内に電車などは走っておらず、移動はもっぱら自動車となります。各観光地を回るためにはシャトルバスがよく利用され、数ヵ所の免税店をめぐることができるコースも用意されています。

古代よりグアムに先住しているのはチャモロ人と言われる東南アジア系の民族です。その後1521年に探検家・マゼランによって発見され、その存在が公になりました。スペインの統治下に置かれた1565年以降、スペインはもちろんのことフィリピンやメキシコとの航路も開かれ、物品の交換や文化の伝来が行われるようになりました。
その中の1つにキリスト教があり、1668年にスペイン人のキリスト教宣教師によって伝えられて以降、現在でも島民のおよそ9割がカトリック教徒と言われています。
1898年に勃発した米西戦争でスペインがアメリカに敗退したことにより、グアムはアメリカの支配下になりました。そして1941年、太平洋戦争のさなかで当時の日本海軍が太平洋海域を侵攻し、アメリカから奪う形で占領します。グアムの日本植民地時代は、その後約2年半続きました。
終戦前の1944年に再度アメリカが自国に取り戻し、以降アメリカの管轄下にありながら独自の自治を行う自治的未編入領域として現在まで治められています。このため、完全にアメリカの州となっているわけではありませんが、準州という形で属しています。
太平洋戦争後もアメリカの重要な軍事拠点として活用されてきたこの島では、今でも総面積の3分の1がアメリカ軍の敷地となっています。

赤道にほど近い緯度約13度に位置するグアムは、常夏の島とうたわれる南国です。気候は海洋性熱帯気候に属し、年間平均気温の約26度から気温が大きく変わることはあまりありません。
スタンダードな海洋性熱帯気候の性質を持っており、11月頃から5月頃の乾季と6月頃から10月頃の雨季を繰り返します。この雨季の間には、ずっとじめじめしている日本の梅雨とは違い、激しいスコールが降っては上がるといった熱帯特有の天候が続きます。
1年通しても最低気温が20度前後と言われており、1年中海水浴ができる気候で、どの時期に行ってもビーチで水遊びが楽しめます。日本のように冬がないため、寒さをしのぐためにグアムに出向く方もおられます。
年間通して太陽の光がさんさんと照り、曇りなどでも強い紫外線が降り注ぎます。日本の日差しに慣れている場合、日頃よりもさらに強固な紫外線対策を行う必要があり、サングラスや帽子は必需品です。
一方、グアムの都市部のホテルや飲食店などの施設では、快適に過ごすことができるよう冷房がかけられていますが、逆に効きすぎて冷えてしまうこともあります。屋外と屋内の気温の差が激しいこともあるため、1枚羽織るものを持って温度調節ができるようにしておいた方がよいでしょう。