パスポートは本人確認のために必要な書類です。海外の渡航先であればパスポートがないと帰国することができませんし、紛失したパスポートを他の人が見つけたら悪用される可能性もあります。
旅行や出張に行く前に、万が一のことを考えてパスポートを紛失したときの対処方法を知っておきましょう!
海外でパスポートを紛失した場合
・警察に行きポリスレポートを発行してもらう
・日本大使館や総領事館に行き、失効手続きを行う
・パスポートの再発行または帰国用の書類の発行手続きを行う
まずは警察でポリスレポートを発行してもらう
パスポートを紛失したら日本大使館に向かう前に、警察に行って紛失した旨を伝えてください。その際に紛失時や盗難時の状況を警察に伝えた内容を文章化してもらったポリスレポートを発行してもらいましょう。(失効手続きで使用します。)
日本大使館や総領事館に行きパスポートの失効手続きをする
日本大使館または総領事館で行います。
失効手続に必要な書類
・紛失一般旅券等届出書 1通 ※「ダウンロード申請書」も使用できます
・紛失理由がわかる証明書類(ポリスレポートが該当します)
・6カ月以内に撮影したパスポート用の写真1枚(縦45mm×横35mm)
・その他参考となる書類(必要に応じ,本人確認,滞在資格を確認できるもの)
紛失一般旅券届出書のページはこちら(外務省のリンクに飛びます)>>
失効手続きを行うとパスポートは失効します。一連の申請および受領は本人が行う必要があります。
パスポートの再発行または帰国のための渡航書の発行手続をする
日本大使館または総領事館で行います。
留学や駐在などの長期滞在で直近での帰国の予定がない場合はパスポートの再発行を行い、旅行などですぐに帰国する必要がある場合は帰国のための渡航書の発行手続きを行いましょう。
パスポートの再発行に必要な書類
・一般旅券発給申請書 1通
・発行してから6カ月以内の戸籍謄本または抄本の原本 1通
・6カ月以内に撮影した写真 1枚
パスポートの再発行に必要な金額は日本で新規で発行するのと同じ金額です。戸籍謄本はFAXやメールでの対応が可能な国や都市も増えてきたようです。確認した上で手配しましょう。
申請から発行までの期間は10日ほどで、戸籍謄本の郵送期間を考えるとより長く必要です。
帰国のための渡航書に必要な書類
・渡航書発給申請書 1通
・発行してから6カ月以内の戸籍謄本または抄本の原本 1通
または日本国籍があることを証明できる書類(住民票、運転免許証、マイナンバーカード、保険証、学生証など)
・6カ月以内に撮影したパスポート用の写真(縦45mm×横35mm) 1枚
・航空券など、旅行日程が確認できる書類
帰国のための渡航書で使用する戸籍謄本に関しては、原本である必要はありません。また本人確認ができれば良いので、多くの国では運転免許証などで大丈夫な場合が多いです。(※国よって違うので大使館や領事館で確認してください。)
申請から発行までは当日~2日ほどかかります。渡航書の期限は7~10日ほど有効です。価格はどの国でも3,000円前後です。パスポートまたは帰国のための渡航書が手に入ったら、現地の入国管理局に行き印鑑をもらいましょう。
パスポート用の写真は失効手続きと合わせて2枚必要になります。
注意点
帰国のための渡航書は、帰国時に他の国を経由する場合は有効でない場合があるので、各国ごとのルールを確認してください。場合によっては航空券を新しく取り直す必要があります。
大使館や領事館がない都市で紛失した場合は、最寄りの都市に移動して手続きする必要があります。
国内でパスポートを紛失した場合
国内でパスポートを紛失したときは、パスポートセンターや各都道府県の窓口で紛失届を出して失効手続をすみやかに行いましょう。
パスポートの失効手続きに必要な書類
・紛失理由がわかる証明書類
・住民票の写し 1通 ※住民基本台帳ネットワークシステムの利用をしない場合、もしくは住民登録のない都道府県での申請の場合
・6カ月以内に撮影したパスポート用の写真(縦45mm×横35mm) 1枚
・身元確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
紛失理由がわかる証明書類は、「消防署又は区市町村が発行する罹災証明書」または「警察の発行する紛失又は盗難を届け出たことを立証する書類」が該当します。
※これらの書類が入手できないときは、警察への届出番号を紛失一般旅券等届出書に記入することで、証明書類の提出に代えることができます。
紛失一般旅券届出書のページはこちら(外務省のリンクに飛びます)>>
パスポートの再発行に必要な書類
・発行してから6カ月以内の戸籍謄本または抄本の原本 1通
・6カ月以内に撮影した写真 1枚
※基本的には新規と同じ手続となりますので、金額も一緒になります。
パスポートの申請についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
パスポートは最重要書類なので無くさないように注意
一般旅券の紛失・盗難件数は、2023年は年間で約3.2万件(前年比124%増)で、このうち約8割が日本国内において発生しています。日本人のパスポートは他国に比べて信頼性が高くビザなしで入国できる国が多いので、悪用されやすいです。また、パスポートは身分証明書になるため、国内で料金の支払い等の責任を負わされる可能性もあります。
海外旅行中に紛失した場合、多くの保険では盗難の場合は適応されますが、紛失の場合は適応されません。また、大使館や領事館が近くにある場所ならまだしも、首都から離れた場所や離島などで観光していた場合、大使館のある都市に行くための飛行機での身分証明ができずに移動ができない場合も想定できます。
とにかく、パスポートを紛失することは非常に大きな出来事ですので、気を付けてください!
まとめ
海外でパスポートを紛失したとときはパニックになるかと思いますが、落ち着いて悪用されないための対処と帰国するための手続きを冷静に行ってください。外国語が不安な場合は、まずは現地の日本大使館や総領事館などに連絡して相談するほうがスムーズに進む可能性もあります。
・写真 (縦45mm×横35mm) 2枚
・6ヵ月以内発行の戸籍謄(抄)本
・パスポートのコピー