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ダ・ヴィンチ「最後の晩餐」の謎を探そう

絵画だけでなく彫刻、建築、科学など様々な分野で活躍し、“万能人”と呼ばれたルネサンス期の巨匠レオナルド・ダ・ヴィンチ。その代表作と言えば、パリのルーヴル美術館が所蔵する『モナ・リザ』を思い浮かべる人も多いことでしょう。しかし、彼の作品でただひとつ、世界遺産に登録されている作品があります。それが、ダン・ブラウンのベストセラー小説「ダ・ヴィンチ・コード」で大きな話題となった壁画『最後の晩餐』です。

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臨場感に溢れる絵画の魅力

レオナルド・ダ・ヴィンチの最後の晩餐

この作品は、ミラノの地下鉄カルドナ駅から10分ほどの場所にあるサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会の敷地内にあるドメニコ会修道院にあります。そして、修道院の食堂にある壁画が『最後の晩餐』です。この作品は1495年から1497年にかけて制作されました。

この中に私を裏切る者がいる

キリストが「受難」の前夜に12人の弟子たちと囲んだ食卓で「この中に私を裏切る者がいる」と予言するという聖書の一場面が、北側の壁、縦4.2m、横9.1mに渡って描かれています。ダ・ヴィンチはこの絵画に奥行きがあるかのように錯覚させる手法を用いました。キリストと使徒たちが食事をする部屋が壁の奥に続いているように見え、まるで絵画の中に引き込まれるような気分にさせられるのです。ミラノに旅行をしたときには、ぜひ触れてみたい美術品ともいえるでしょう。

『最後の晩餐』は、細かく描かれたストーリーと『最後の晩餐』に潜む謎について知っておくことで、よりその世界観を楽しめる絵画でもあります。

キリストの左側に描かれている人物

例えば、キリストの左側に描かれている聖ヨハネと言われる人物。他の使徒と違い中性的で美しく描かれていることから、絵画を見て「女性なのでは?」という印象を受ける人もいるかもしれません。このことは、小説「ダ・ヴィンチ・コード」の中で重要なポイントとして扱われました。

ナイフをもった手、コップの数

そのほかにも、「ナイフをもった手は本当にペテロのものなのか」、「キリストと12人の使徒の数だけあるはずのコップが1つ足らない」、「使徒の座っている順番」など、様々な解釈を持たれる『最後の晩餐』の謎が見る側を楽しませてくれます。

銀貨の入った袋を握りしめるユダ

また、キリストから「裏切り者」という衝撃的な告白を受けた使徒たちの驚きや動揺、困惑などの反応は、手の描かれ方にも現れています。裏切ったことで得る銀貨の入った袋を握りしめるユダ、両手を胸の前で広げる聖アンデレ、指を一本立てている聖トマスなど、表情だけでなく手に注目することで新しい発見があるかもしれません。絵画ファンではなくても、とても興味深い事柄がこの『最後の晩餐』に謎として存在しているのです。

パンとワイン

見学時間も人数も完全予約制の理由

未完が多いと言われているダ・ヴィンチの数少ない完成作であるとともに、最も損傷が激しい絵画としても知られています。その理由のひとつは絵画が置かれた劣悪な環境です。最後の晩餐が描かれた部屋は食堂として使われていたため、食べ物の湿気や湯気などに見舞われました。

さらに、17世紀には絵画の下部、ちょうどキリストの足があったであろう部分の壁に出入り用の扉が設けられたことで大きく絵が欠損しました。17世紀末には馬小屋としても使われたほか、この間にミラノを2度襲った大洪水で水浸しとなっています。

高温や湿気に弱いテンペラ画であったことも劣化が進んだ要因でした。(テンペラ画とは、油絵が誕生する前の技法で、卵黄や卵白、油と水を混ぜ乳化させたもの等を固着剤として用いたもので、発色が良く乾きが早い特徴があります)第二次大戦時には空爆を受け、作品が残っていることが奇跡と言えるほどの「受難」を受け続けました。

その後、汚れやオリジナルとかけ離れた加筆などを取り除く地道な修復作業が1977年に始まり、500年ぶりにダ・ヴィンチが描いた姿となったのは1999年のことでした。

現在は、絵画がこれ以上損傷しないように複数の扉で外気との接触を減らし、見学時間も1グループ(最大25人)15分程度に制限しています。見学は完全予約制ですが常に満員状態だそうなので、早めに予約確認をするかチケットが付いたミラノのオプショナルツアーで行くことがおすすめです。予約時間に遅れると入場できない場合があるので、30分前には現地に到着しておくようにしましょう。

また、「レオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」があるサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会とドメニコ会修道院」という世界遺産の登録名称が示す通り、『最後の晩餐』のあるサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会も見どころのひとつ。ゴシック様式で建てられた教会は15世紀に増築されており、ルネッサンス的空間も取り入れられた美しい複合建築を見ることができます。

さまざまな「受難」に見舞われ多くの謎を残す『最後の晩餐』。20年余りの修復作業が終わり本来の姿を取り戻したその名画の前に立った時、ダ・ヴィンチが込めた本当のメッセージが伝わってくるかもしれません。

レオナルド・ダ・ヴィンチ

このドメニコ会修道院ですが、ミラノ市街地の中心に位置しています。もちろん『最後の晩餐』を見に行くのであれば、宿泊するホテルはミラノ市街がおすすめですが、フィレンツェからも『最後の晩餐』とミラノ市内観光がセットになったフィレンツェ発のオプショナルツアーがあります。

成田空港からイタリア・ミラノは直行便で往路片道約12時間35分ですが、それだけの時間を費やしても、一見の価値がある作品ともいえます。絵画の最高峰でもある『最後の晩餐』の謎解きの旅へ。イタリア・ミラノを訪れるときには、ぜひ見てみたいものです。

※掲載画像はイメージ画像です。

ミラノ(イタリア)のおすすめ!

ご旅行前に外務省・安全情報(イタリア)をチェック

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