フランスの中でも、多くの観光名所が見つかるのがパリです。歴史的建造物から芸術の要衝、風光明媚な景色まで見どころが盛りだくさんです。その中でも代表的な観光スポットの1つが凱旋門です。
凱旋門自体はパリの街の中に何ヵ所かありますが、一般的にメジャーな凱旋門といえば8区のシャルル・ド・ゴール広場にあるエトワール凱旋門を指します。パリのメインストリートであるシャンゼリゼ通りの西端に位置し、この通りを含めて凱旋門を中心に複数の通りが放射線状に伸びています。
1806年に時の皇帝ナポレオン1世が造らせたと言われており、完成は着工から実に30年後の1836年です。「凱旋門」とはもともと戦に勝利した際の記念碑としての意味合いがあり、このエトワール凱旋門もナポレオン1世率いるフランス軍と、ロシア・オーストリア連合軍が剣を交えたアウステルリッツの戦いに勝利した記念とされています。
18世紀頃まで流行したバロック建築やロココ建築といった華やかな様式にさらに重厚さを加えた新古典主義の代表的な建築物の1つであり、古代ローマの香りを残した重厚な構えで現在もフランスの街並みを見守っています。
外観を鑑賞するほかにも、入場料を支払えば中に入って登ることができ、展望台からはパリの街を一望することができます。

歴史と文化の街として世界的に名の知れたパリの街にあって、フランスだけでなく世界的に見ても最大級の美術品所蔵数および規模を誇るのがルーヴル美術館です。長年の歴史の中で進化・成熟した芸術文化を辿ってきた数々の美術品を展示してあるだけでなく、その建物自体も文化財としての価値を持つものであり、もとはフランス王の要塞として12世紀に建造されたルーヴル宮殿の建物です。
宮殿として機能しながら、16世紀には壮大かつ優美なルネサンス様式の建物に造り替えられました。時のヴァロワ朝フランス王フランソワ1世が収集した美術品の数々を主な所蔵品とし、その中には世界的に知名度の高い「モナ・リザ」も含まれていました。
その後、さらに増改築の計画が進められ、ブルボン朝に王朝交代をしてしばらくした17世紀に時のフランス王ルイ14世がその拠点をヴェルサイユ宮殿に移したことで、ルーヴルはパリの芸術家たちに開放されたのです。そして18世紀、本格的に一般開放される美術館としてオープンしました。
現在収容されている美術品は「モナ・リザ」の他に「ミロのヴィーナス」「サモトラケのニケ」など、約35,000点が展示されています。建物の外観は、古代建築の様式と、建物正面にあるガラス張りのピラミッドとの対比が独自の空気を醸し出しています。"

フランスの歴史とともに歩んできた古都パリの文化や経済の発展に不可欠な存在であるセーヌ川。この川はパリの街を貫通しており、セーヌ川の右岸と左岸とでは同じ街ながらそれぞれに独自の変化を遂げています。
もともとパリは、このセーヌ川の中州であるシテ島から発展してきた街であり、河岸には数々の歴史的建造物や橋などが散見されます。その景色のうちシテ島やサン・ルイ等を含むおよそ8kmの区間がユネスコの世界遺産に認定されている名所となっています。
この区域にはフランスの歴史を物語る数々の建造物や施設があります。かつて宮殿であったルーブル美術館やフランス革命では刑場となったコンコルド広場。左岸にはパリのランドマークの1つであるエッフェル塔や印象派美術の要衝であるオルセー美術館。シテ島にはゴシック建築の代表格であるノートルダム大聖堂など、それだけでもパリの歴史を辿ることができる象徴的なものが点在します。
また、この区間にセーヌ川に架けられた橋の数々も美しいものが多く、17世紀に完成したパリ最古の橋であるポンヌフや、中世から近代までのフランス建築の要素を盛り込んだアレクサンドル3世橋は、その優美さから特に観光スポットとしても名高い場所です。