南フランス・コートダジュール地方の中心都市であるニースは、世界中から多くの観光客が集まる街です。冬は暖かさを求め、夏はビーチとして人気があります。ヨーロッパの王族が過ごすリゾートとして栄えた歴史があり、美しい地中海が一望できるビーチです。
ニースはフランス国内でも夏のバカンスシーズン（7,8月）になると特に賑わう海岸です。プライベートビーチは有料ですが、普通のビーチよりもゆったりと過ごすことができるでしょう。シャワー利用可能、パラソルやデッキチェアの貸出、カフェの出店などがあります。
地中海沿いの海岸通りは遊歩道が整備されています。プロムナード・デ・ザングレ（イギリス人が作った散歩道）と呼ばれており、高級ホテルやカジノなどリゾートらしいラグジュアリーな建物が並んでいます。
旧市街地の方へ出向くと、イタリア的なカラーが特徴の住宅街が広がります。かつてはイタリア王国の統治下にあり、ローマ時代の遺跡やイタリア的な名残が残っているためです。レストランやブティックなど、グルメやショッピングを楽しめる場所も多いため、衣・食の分野でも観光客の心を満たしてくれることでしょう。

市内を流れるセーヌ川のほとりで毎年夏の1ヵ月のみ開催される人工ビーチ、パリ・プラージュ。もともと夏になると避暑やリゾートに出かける習慣のあるパリの方々にあって、諸事情でパリにとどまらざるを得なくなったパリ市民のために、2002年に時のパリ市長であるベルトラン・ドラノエにより提案されたイベントです。
朝8時から夜0時まで、ビーチの解放感と夏のお祭り感覚をパリの街に持ち込んだアイデアは毎年大好評を博しています。約1ヵ月の期間中に訪れる人は400万人を超えるという、フランスの中で見ても大きなイベントの部類にカテゴライズされます。
毎週末の夜に開かれるのが特設ステージでのライブ演奏。セーヌ・フナックというステージで繰り広げられるのは、ポップやロック、シャンソンなどの生バンドの演奏。毎週ライブが開かれるステージには人だかりができるほどの人気ぶりです。もし人の喧騒から離れたければ、少し離れた場所にあるオープンカフェでくつろぎながらゆっくりと音を楽しむのも1つの方法です。
また、ステージ以外でもカフェスペースなどでライブが行われています。フランスの空の下で、しばし解放的なリゾート気分を味わうことができるのも魅力です。

ビアリッツはフランス国内にとどまらず、大西洋岸最大と呼ばれるほどのリゾート地です。18世紀頃からヨーロッパの医師が海に面した環境を療養地として勧めたこと、ナポレオン3世妃であるウージェニーが別荘を建てたことから脚光を浴びる場所となりました。現在はカジノやブティックが立ち並んでいるように観光地として開発が進み、多くの方で賑わう観光地になりました。
ビアリッツの美しい白砂の砂浜はグランド・プラージュと呼ばれ、海岸沿いにはかつてウージェニー妃が過ごした別荘がありました。現在はオテル・デュ・パレというホテルになっており、まさに貴族の社交場とも言える場所に変身しました。ミシュラン1つ星を獲得しており、フランスの他の宿泊施設と比較しても勝るとも劣らないサービスが受けられるでしょう。
ビアリッツは古くからヨーロッパの貴族たちが過ごす場所として名高く、イギリス王家やスペイン王らが休暇のたびに訪れていました。リゾート地として非常に美しい場所だったことから、フランスの詩人・政治家であるヴィクトル・ユーゴーや映画監督のサシャ・ギトリらが賛美の声を送っています。