西ヨーロッパの西部に位置しているフランス。その首都は花の都として知られるパリです。深い歴史の中で芸術文化や経済などが豊かに発達したフランスの中心地であり、世界的にも有数の主要都市です。2014年の世界都市ランキングでも堂々の3位に位置するなど世界的に注目され、移民や観光客も多く訪れる都市です。
フランスのパリは、行政区分としては市となりますが、この地域のみで県と同等の機能を持つ行政区となります。パリを中心としたフランスの首都圏、イル・ド・フランス地域圏の首府であり、この地域全体を含めると世界的に見ても経済的に豊かなエリアです。
フランスの面積はおよそ63万平方キロメートルで、国内には約6100万人が暮らしています。そのうちパリの面積は105平方キロメートル、人口は約220万人となります。日本との時差は8時間遅れですが、フランスにはサマータイムがあり、その期間中は7時間遅れの時差となります。日本から飛行機で直行便でも約12時間かかる長旅となります。
観光スポットも非常に多く、パリのランドマークであるエッフェル塔や凱旋門を始めとして、メインストリートであるシャンゼリゼ通り、ノートルダム大聖堂などの歴史深い建造物、またルーヴル美術館といった芸術の拠点など観光ポイントは盛りだくさんです。

紀元前1世紀頃までフランスには、自然を信仰する文化を持ったケルト人が多く住んでいましたが、その地域一帯はゴールと呼ばれていました。紀元前200年頃には、イタリアのローマが強い勢力を持つようになり、後にゴールもその支配下に置かれるようになります。紀元前58年に起こったガリア戦争でローマ軍に敗れ領土を占領されると、ケルト人はガロ・ローマという独自の文化を築き上げるようになりました。360年になると、ゴール北部にあったルテティアという都市がパリと呼ばれるようになります。
5世紀に至るまで、動乱の中でのローマ帝国時代が続いた後、フランク王国のメロヴィング朝、そしてカロリング朝に取って替わり、徐々に衰退していくと、代わってパリ伯が勢力を持ち始めます。そして、ロベール家のユーグ・カペーによってカペー朝が開かれ、パリを首都としたフランス王国の出発点となります。
その後16世紀にはパリが首都機能を持ったブルボン朝が発足。この時代には絶対王政が確立し、歴史が続いた後、1789年のフランス革命を迎えます。波乱を経た19世紀、産業革命によって急速な発展を遂げ、交通機関や街の機能が発達。同時に芸術文化も成長し、近代都市へと変化します。戦後になるとさらに経済的、文化的にも成熟した豊かな都市になりました。

大西洋と地中海の両方に面しているフランスは、大陸性と海洋性、地中海性という3つの気候に大きく区分できます。大西洋に面する西部は海洋性気候、フランスの東部にある高地の周辺は大陸性気候、地中海に面する南部が地中海性気候となります。
その中で、北緯約48度に位置するパリの場合は西岸海洋性気候に属します。北大西洋海流によって、高緯度でありながら比較的温暖な気候となっています。年間の最低気温は2～3度、最高気温は25度程度が平均であり、年間通して過ごしやすくなっていますが、まれに夏には30度を超え、冬にはマイナス5度を下回ることもあります。
西岸海洋性気候の場合、四季は存在しますが、梅雨はなく夏場も湿度の低いカラッとした日々が続きます。ただし春と秋には不安定な気候となり、気温も一定の変化を見せず上がったり下がったりします。日の当たる時間が短く、日中も曇っていることが多いのも特徴です。
同様の気候としてはイギリスのロンドンや日本の北海道・室蘭などが相当するため、本州から出かける場合は普段の生活における気候より少し寒めを想像しておきましょう。また、気温が不安定であったり急に雲行きが変わって雨が降ったりといった変化が起きやすいため、羽織るものや雨具を常備しておくとよいでしょう。